世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2018年4月10日

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 3月18日、ロシアでは大統領選挙が行われた。プーチンが76.69%得票し、予想通り再選された。ワシントン・ポスト紙は3月19日付で「プーチンの新任期はより危険でありうる」との社説を掲載、プーチンへの警戒心を表明している。社説の要旨は次の通りである。

(iStock.com/Allevinatis/Ronnie_21)

 プーチン政権が演出した国民的支持は見かけほど印象深いものではない。投票率は67.5%で、政権が目標とした70%以下であった。これを上げるために当局が投票箱に票を入れ込んでいるビデオは簡単に手に入る。若者は投票に行かなかった。

 プーチンは選挙運動をほぼ完全に西側への敵意で基礎づけた。彼は新核兵器を誇示し、フロリダにこれが向かう動画を展示した。選挙の結果が出た後、プーチンは突然ギアを入れ替え、軍備競争に関心はなく、国内での生活水準向上に目を向けると述べた。しかし現実には、プーチンは内外政策で自分が掘った穴から抜け出すのは困難だと知るだろう。

 プーチンは、経済成長率を3%以上にすると約束している。しかし、石油価格が上がらず、西側の制裁が英国での元スパイへの神経剤攻撃で増える中、これはありそうもない。プーチンはシリアにおける任務は完遂されたと何度も言ったが、シリア戦争は終わりそうにはない。解決策を作るプーチンの試みは全く成功していない。ロシア軍が東部ウクライナから引きあげる見通しもない。

 これらの問題は、プーチンをより危険にする。近年、プーチンはクリミア侵攻など対外冒険を、国内の困難からロシア人の気持ちをそらすために使ってきた。2018年と2020年の米国での選挙に影響を与えようとする可能性がある。神経剤攻撃が再びあるか、中欧やバルカンのNATO諸国への軍事的手出しはあるか。後者の可能性を排除する人は、2月にシリアで米軍がロシアの承認を得た兵力の攻撃を受けたことを考えるべきである。

 力強い西側の行動のみがプーチンを抑止する。ウクライナ軍にはもっと多くの兵器を供給し、サイバー攻撃には対抗すべきである。何よりもプーチンとその取り巻きオリガルヒが西側の金融機関や不動産にお金を溜めておくことを防止すべきである。プーチンは外国での冒険が彼の政権を危険にすると知るべきである。

出典:‘Putin’s next term could be even more dangerous’Washington Post, March 19, 2018)
https://www.washingtonpost.com/opinions/global-opinions/putins-next-term-could-be-even-more-dangerous/2018/03/19/136e1364-2b92-11e8-b0b0-f706877db618_story.html

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