定年バックパッカー海外放浪記

2018年4月8日

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高野凌 (たかの りょう)

定年バックパッカー

1953年生まれの62歳。横浜生まれ、神奈川県出身。大学卒業後は商社、メーカー勤務を経て2013年定年退職。2014年春から海外放浪生活を始める。放浪歴は地中海、韓国、インドシナ半島、インドネシア、サンチアゴ巡礼など。サラリーマン時代は主として海外業務に従事。ニューヨーク、テヘラン、北京にて海外駐在を経験。身長170センチ、57キロ。獅子座。A型。現在2人のご子息は独立し、夫人との2人暮らし。孫1人。

旅の醍醐味は人との出会いであるが

 しかし、このオジサン的鉄則を日本の若い旅人に伝えると大概は大きな反発を招く。地元の人達との出会いにより感動的な体験をすることが旅の醍醐味であるという。オジサンとしてはこうした若者(大半は片言の英単語を並べるだけという語学水準である)の行動に危うさを感じる。しかし彼らからは「最初からお金目当てと判断するのは差別ですよ」とか「先進国の人間が途上国の人間を見下すというのは傲慢ですよ」とか厳しい批判をしばしば受ける。

暮れなずむバラナシの街並み

 他方で欧米の若者の途上国での現地人への対応は徹底している。日本人の若者が“出会い”を求めて対等のお友達として現地人と接するのと対照的に、欧米の若者は一定の距離を置いて現地人を店の売り子やフリーのガイドと見做して会話をしているのである。対等のお友達関係ではなく一線を画しているのである。決して現地人の誘いには乗らないし、そのような隙を見せないのである。

就職先は決まったけれども・・・

 デリーやバラナシで出会った日本の若者と話していて気付いたのは、彼らの多くに共通しているのが“将来について余り期待していないという諦観のような人生観”である。

 大学でのサークル活動や多数の友人との付き合い、海外旅行、ゼミでの勉強、アルバイト体験などオジサンの学生時代よりはカラフルで充実した学生時代をエンジョイしている。しかし将来の人生設計については悲観的なのだ。

路地で噛みタバコを売る老人@バラナシ

 バラナシの宿で出会った関西の大学生4人組の話を聞いていて“諦観”の背景が分かってきた。彼ら4人は就職戦線が売り手市場であったことから比較的早く就職先が決まった。しかし4人とも一生その会社に勤めることは考えていないという。どんなに頑張っても先が知れているという諦観を抱いているようだ。

 確かに経済成長も期待できないし、一部の勝ち組を除けば大半の若者は親の世代よりも物質的にも文化的にも豊かな人生は望めないと認識しているのであろうか。

⇒以上 第3回に続く

  
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