片倉佳史&真理の「もっと!台湾探見」

2018年11月15日

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片倉真理 (かたくらまり)

台湾在住ライター

台湾在住ライター。1999年から台湾に暮らし、台湾に関するガイドブックや書籍の執筆、製作に携わる。そのほか、機内誌への寄稿や女性誌のコーディネートなども手がけている。

 

2011年に台湾で出版した中国語書籍『在台灣,遇見一百分的感動~片倉真理 旅的手記』(夏日出版社)のほか、共著に『食べる指さし会話帳・台湾』(情報センター出版局)、『台湾で日帰り旅 鉄道に乗って人気の街へ』(JTBパブリッシング)など。2018年4月に初の単著『台湾探見 Discover Taiwan-ちょっぴりディープに台湾体験』(ウェッジ)を刊行。

霧深き森に響く鈴の音

 パスタアイは三日三晩、夜を中心に行なわれます。老若男女が円陣を組み、時にはゆっくり、時には早足になったりしながら、休むことなく、夜を徹して踊りは続きます。この際には、こびとの精霊を慰めるため、お経のような物寂しげな曲調の歌が唄われます。

パスタアイは霧に包まれることが多い

 もう一つ印象的なのは、人々が背負った鈴の付いたリュックのようなものです。これはサイシャット族に特有の楽器で、他の霊が入ってこないようにするために鳴らすものだそうです。深い霧に包まれた山あいで、シャン、シャン、シャンという鈴の音が響きわたる様子は非常に幻想的です。

リュック型の鈴

参加する際にはルール厳守で

 現在、パスタアイは一般の人たちでも自由に見学できます。ただし、参加する際には彼らの伝統や文化を尊重し、タブーやルールを厳守することをお忘れなく。 

カメラにも魔除けのススキをつける

 会場に着いたら、まずは広場にある小屋で魔よけのススキをもらいましょう。腕などに付けるだけでなく、カメラやビデオなどの撮影機材にも付けます。これを怠ると、霊に取り憑かれると言われています。私のカメラに付けてくれた青年は「カメラにヘンなものが映っても困るでしょう?」と笑っていました。

 また、深夜の山上はかなりの冷え込みとなりますので、上着などを持っていくなど、防寒対策は抜かりなく行ないましょう。会場の周りには屋台も出ていますので、食事には困りません。夜は長いので、休憩を取りながらゆっくりと見学するのがおすすめです。

夜が明け、朝は一転して笑顔になる

 台湾で原住民族の祭典と言えば、アミ族の豊年祭のように華やかで明るいのものを想像しがちですが、パスタアイはそれとはかなり異なる様相です。台北からもそれほど遠くはない場所なので、ぜひディープな「台湾体験」を楽しんでみてください。
 なお、「台湾探見」ではサイシャット語の挨拶の言葉をいくつか載せています。こちらもぜひご覧ください。
(写真=片倉佳史)

向天湖へのアクセス情報

台鉄(在来線)の列車に乗車し、竹南駅で下車。苗栗客運のバスに乗車し、南庄までは所要約1時間。南庄から向天湖行きのバスに乗り換え、約40分。パスタアイの期間中は交通管制が敷かれるため、自家用車やタクシーなどではアクセスできません。南庄ビジターセンターの前からシャトルバスが運行されていますので、これを利用しましょう。

向天湖行きのバス

なお、南庄は客家人が暮らす集落で、客家料理レストランやお土産屋などがあります。日本時代に建てられた南庄郵便局の建物や、「乃木坂」と呼ばれる石段も残っています。これは第三代台湾総督の乃木希典にちなんだものです。祭典へ行く前には南庄の町歩きも楽しんでみたいものです。

〔著者〕片倉真理(かたくら・まり)
台湾在住ライター。1999年から台湾に暮らし、台湾に関するガイドブックや書籍の執筆、製作に携わる。そのほか、機内誌への寄稿や女性誌のコーディネートなども手がけている。

 
 
2011年に台湾で出版した中国語書籍『在台灣,遇見一百分的感動~片倉真理 旅的手記』(夏日出版社)のほか、共著に『食べる指さし会話帳・台湾』(情報センター出版局)、『台湾で日帰り旅 鉄道に乗って人気の街へ』(JTBパブリッシング)など。2018年4月に初の単著『台湾探見 Discover Taiwan-ちょっぴりディープに台湾体験』(ウェッジ)を刊行。

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