2024年4月27日(土)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2012年8月29日

 常識的なシナリオは、アサド政権の崩壊であり、西側の評論は、アサド政権崩壊後、各宗派融和の新体制を希望していますが、これだけの徹底的な流血の後で、各派対立が容易に収まるとも思われず、それは希望的観測に過ぎない恐れがあります。

 この論説は、シリア情勢の今後の見通しについて、一つの新たなシナリオを提供しています。ダマスカスとアレッポがスンニ派の支配下に入り、もともと少数派であるアラウィ派がその本拠の山岳地帯に立てこもるというシナリオには、蓋然性があります。その場合、アラウィスタンとタルトスのロシアの海軍基地との間の地理的関係、アラウィスタンが、レバノンと国境を接するのか、ヒズボラとの連絡を維持できるのかなど、地理的関係はよくわかりませんが、北西部、海岸よりということですので、その条件の多くを満たす可能性があるでしょう。

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