うつ病蔓延時代への処方箋

2013年7月11日

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 ――冒頭の質問に戻してしまいますが、復職を決めるのは誰ですか。

吉野:それは会社です。主治医の診断書と産業医の意見を勘案して会社が決めます。主治医が復職可能としても、会社で面談して厳しいと判断すれば、復職できません。ただ、現実は診断書を重視する傾向にあります。私は中立的な産業医の立場で面談して復職が無理だと思えば、主治医にその具体的な理由とどのような状況になったら職場復帰が出来るのかを明記し、会社と相談した結果として復職させられないことを伝えます。前述したように主治医は患者さんの立場ですから、受け入れられない場合も多々ありますが、出来る限りそのギャップを埋める努力はしているつもりです。

 ――復職後の再発を防ぐにはどのような取り組みが必要ですか。

吉野:うつは再発の可能性が高い病です。大切なことは必ず、うつになった要因を探ることです。休職中に病状が良くなるのは、薬を飲みながら仕事というストレスから離れてゆっくりしているからなのです。回復後に自分も周囲の環境も何も変わらずに職場に戻るだけでは、近い将来再発することが目に浮かびます。何がうつを引き起こしたのか、自分自身で振り返ることを私は患者さんや休職者に話します。ある程度の原因がつかめれば、復帰後は同じことにならないよう気を付けることができます。単に働き過ぎが原因ということだけでなく、働き過ぎてしまう自分の性格傾向などその奥にある要因を見つけ出し、対応することが重要です。

[特集] 「心の病」にどう向き合うべきか?


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