経済の常識 VS 政策の非常識

2013年9月14日

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 ますます、集めたものを配ってしまおうとなる。財政再建には少しもならない。ただし、より害悪の少ないやり方もある。配るのではなくて、別のところで取るのを止めることだ。法人税減税、投資減税である。ただし、投資減税について言えば、日本は投資が不足しているのか、投資しすぎているのかよく分からない。本年度の経済財政白書(7月23日発表)によると、日本は総資産利益率が国際的に見て低く、かつ、設備が老朽化しているという(第2章1節)。しかし、総資産利益率が低いのは過大な投資を示唆し、設備が老朽化しているとは近年投資をしていないことを示している。これでは投資をどうしたら良いか分からない。

 法人税減税であればこの問題もない。法人税減税の利点は、企業が得た利益をどう使おうが自由なことである。投資に回しても良いし、配当にしても良い。企業は無駄なことはしないだろう。

 消費税をいくら上げても、税収が増加した分を使ってしまっては、いくら増税してもきりがない。財政再建のためには歳出を増やさないことが肝心だという認識に立たない限り、本当の意味で財政再建はできない。しかし、参院選の自民党の勝利により、業界団体からの歳出圧力が強まるだろう。それに安易に応じれば、財政再建はむしろ遠のくことになろう。

 本誌6月号の拙稿で述べた、成長戦略を安倍首相自らが説明し、都市と女性にウィングを伸ばそうとした自民党。その踏ん張りに注目したい。

◆WEDGE2013年9月号より

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