田部康喜のTV読本

2014年1月22日

»著者プロフィール
著者
閉じる

田部康喜 (たべ・こうき)

東日本国際大学客員教授

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

 ドラマはサスペンスの緊迫した展開になっていく。梅澤梨花(原田知世)は顧客の金を1億円横領したのである。少女時代と結婚生活、そして横領に至る過去と、アジアに逃亡してあてどもなく歩き回る今が、重ね合わされていくのである。

 梨花が名門の私立高校時代のエピソードが描かれるシーンは、原田知世ではなく子役が務めるのであるが、「時をかける少女」など原田主演の映画を思い出させて、懐かしい気持ちになる。

 専業主婦である梨花は夫の正文(光石研)と平凡な暮らしを送っている。唯一の悩みといえば、子どもができないことである。友人に勧められて、梨花は銀行の支店のパートで働くようになる。裕福な老人たちが多い住宅街の営業の補助要員である。

 愛情ある夫婦関係が築けないことをさとった梨花は、契約社員となる試験に挑んで合格する。一人暮らしの平林孝三(ミッキー・カーチス)の家で、訪ねてきた孫の大学生の光太(満島真之介)と知り合う。

 映画サークルで監督を務める、光太との出会いが梨花を徐々に変えていく。顧客のお金に最初に手をつけたのは、高級化粧品を買おうとして手持ちの現金が足りなかったとき、預かった現金を一時的に使った瞬間だった。

 恋人になった光太がサラ金から多額の借金があることを知って、顧客から預かった200万円の預金証書を偽造して、現金は使い込む。痴ほう症の高齢の女性から頼まれて下ろした300万円は、彼女が頼んだ覚えがないというと、そのまま自分の口座に入れるのだった。

 ドラマの冒頭は、アジアの国の国境をどしゃぶりのスコールのなかを越境するかどうか、迷っている梨花のシーンではじまる。過去の思い出がフェードアウトすると、再び梨花が炎天下のアジアの街を歩くシーンとなる。平凡な主婦が犯罪に手を染める。そこまでに至る謎が徐々に解き明かされていく。そして梨花はどうなるだろうか。

毎回ゲスト女優を迎える「慰謝料弁護士」

 地上波のゴールデンタイムやプライムタイムの時間帯に視聴率を競う時代とは大きく異なって、深夜帯でも女優たちは美しい相貌をみせている。

関連記事

  • PR
  • 新着記事

    »もっと見る