宝塚出身の可憐な女優である檀れいまでもが、刑事となって。フジテレビ「福家警部補の挨拶」は第1回「失われた灯」(1月14日)。脚本家の藤堂昌也(反町隆史)が犯した殺人事件のアリバイ崩しに、福家警部補(檀れい)が挑む。
人気シリーズの相棒の杉下右京(水谷豊)もその登場のときは、警部補だった。フード付きの分厚いコートと襟もとをマフラーでぐるぐる巻きにした、福家警部補の登場はカメラが背後から追う。ぼさぼさ髪の檀れいがその警部補であることがわかる。
上司の係長の石松和夫警部役に稲垣吾郎、相棒の鑑識係の二岡に柄本時生を配して、檀とからむ軽妙なギャグが笑える。石松は「係長では軽い。警部と呼べ」と繰り返す。
刑事もの、医療ものが目立つが…
1月ドラマのラインナップを眺めれば、刑事ものと医療ものが番組表の真ん中にすわっているように一見みえる。しかしながら、女優たちの演技の軌跡を追っていくと、そこには刑事ものや医療ものばかりが主流とはいえないのではないかと思う。
シリアスからコメディアンヌまで若手の美貌の演技派である、石原さとみは、やはりフジテレビの「失恋ショコラティエ」に。主要な登場人物の紹介とドラマの背景を解き明かしていく第1回(1月13日)は、「松潤」こと嵐の松本潤演じる洋菓子屋の息子の小動爽太が、高校時代からあこがれる高橋紗絵子(石原さとみ)に振り回されたあげく、フランスのチョコレート専門店に修行にでる。
ショコラティエとして優れた職人となって帰国した、爽太は紗絵子との恋愛を夢見るが、彼女の結婚で裏切られる。チョコレートを食べる紗絵子の唇は爽太の気を引く。妄想のなかで、爽太は紗絵子とラブシーンを演じる。一人二役を演じているようにみえる石原によって、ドラマは軽快なラブコメディーに仕上がっている。
1億円横領した主婦を演じる原田知世
角川映画の1980年代を飾った美少女たちのひとりである、原田知世はNHK「紙の月」で41歳の主婦を演じている。第1回「名前のない金」(1月7日)と第2回「満たされた渇き」(1月14日)によって、ドラマの輪郭は明らかになった。