2024年4月27日(土)

田部康喜のTV読本

2014年8月6日

 次男の暁(さとる・瑛太)は詐欺事件を引き起こして、刑期を終えて出所したばかりである。

 ひかりは、看護師として勤務している病院の医師・新城正臣(吉岡秀隆)と不倫関係にある。

 三男の陽(はる・柄本佑)は留年して演劇の夢を追う。四男の旦(ただし・野村周平)は大学受験を目指して通っている予備校で、永原香澄(橋本愛)に誘惑されて、妊娠したと嘘をつかれて金銭を要求される。

舞台劇を思わせるやりとりには賛否も

 第4話(7月30日)は、次男の暁がなぜ詐欺事件を起こしたのか。そして、暁が医師の新城に敵意を抱くのか、その理由が明らかになる。新城の患者だった、心臓病を抱えた恋人・吉川瑞貴(広末涼子)の移植手術の費用を得るための犯行だった。瑞貴は舞台女優を夢見ていた。しかし、亡くなる。

 新城になぜ早く手術の必要を教えなかったのか、と迫る暁に彼はいう。彼女が知らせることをやめるように頼んだのだと。

 「暁が自分の夢なんです、と彼女はいったんだ。自分の命が限りあるものだとわかっていた」

 劇中劇で演じられる、つかこうへいの「飛龍伝」を演じる、香澄(橋本愛)の姿が暁の目には瑞貴(広末涼子)に見える。

 佐藤一家の人々は、激しい言葉のやりとりばかりか、雨中のけんかの「動」の演技をみせる。舞台劇を思わせるやりとりには賛否がある。

 「ペテロの葬列」の小泉孝太郎の静かな演技に、わたしはより魅かれる。


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