世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2015年8月6日

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 米ワシントンポスト紙は7月5日付で、米連邦人事管理局(OPM)のデータベースへの不正な侵入により大量の個人情報が流出した問題を取り上げて社説を書いています。

画像:iStock

 すなわち、OPMから秘密の情報がまた大量に流出した。OPMは過去、現在および将来の連邦職員の身元調査の情報がどの程度流出したか明らかにすることになっている。身元調査は機微で個人的な事項を含み、多くの人間が恐喝のリスクに晒される。流出した件数は数百万に達するらしい。これは6月4日に発表された420万人の連邦職員の個人情報の流出とは別の事案である。

 オバマ大統領はもっと立腹して然るべきである。OPM長官はデータが如何に機微であるかを知っていたのに、扉の隙間が開いていた。泥棒は最も高度の秘密を扱う公務員に係る個人的な詳細な情報という宝の山を持ち去った。これは容認し難い失敗である。OPM長官アーチュレッタは議会で責任を否定し、非難されるべきは下手人であると述べた。

 国家情報長官クラッパーは中国が最も怪しいといっている。FBIは中国とは特定しなかったが過去に中国との関係が指摘されていた「Sakula」と呼ばれるものなどいくつかのマルウェアを特定して警告を発した。ロイターによれば「Sakula」は医療保険会社Anthemに対して使われたものだという(註:今年2月に表沙汰になった)。下手人は軍事や産業に係る秘密を盗む通常の部局ではなく、中国国家安全部に属する別のグループだという。これは憂慮すべき事態であり、中国の情報機関はAnthemとOPMから得たデータを使ってスパイ活動の対象とし得る米国人の選別を企てるかも知れない。

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