田部康喜のTV読本

2015年8月5日

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田部康喜 (たべ・こうき)

コラムニスト

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

 舞の追及に小見山は、白状する。しかし、こう抗弁する。

 「銀行のためにどのくらい働いて、どのくらい利益をあげたかわかっているか。それなのに、同期に出世で抜かれて、支店長にもなれずに」と。

 舞の決め台詞があって。ストーカーを装った隠ぺい工作に対して、「人間としてやってはいけないことです」と。

 現代の企業では、ドラマのように上司がストーカー行為に対して、事なかれ主義を貫くのは問題視される。銀行の内部で支店の融資課長が、親族の幽霊会社に振り込みを誘導する事件は、ちょっと考えにくい。

 しかし、ドラマには、企業の官僚体質と出世競争を描くには、こうした「戯画」は必要である。観客もそれをわかったうえで、銀行の内部をのぞいた気分になると思う。

日本企業の内部に潜む根深いハラスメントを
明らかにする「エイジ」

 「エイジ」第4話(7月30日)は、海外勤務から花形の繊維1課長に就任した、小田みどり(森口瑤子)が巻き起こすハラスメント騒動に、英美里が立ち向かう。

 小田は、一般職を徹底的に差別する。総合職にも容赦がない。「成果主義」の権現である。耐えかねたふたりの一般職が、小田のパソコンを隠す事態となる。

 英美里は上司の総務課長の大沢百合子(稲森いずみ)に相談したうえで、小田に知られないように一般職からパソコンを取り戻そうとする。英美里に土下座を要求するふたりに対して、ヒールを脱いでひざまずく。「これも給料のうちですから」と。

 小田のハラスメントは止まない。

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