人事は企業を変えられる

2016年4月4日

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寺川尚人 (てらかわ・なおと)

Indigo Blue社長、テラマネジメントデザイン社長。1982年ソニー入社。人事VP、人事部門長など、人事業務に従事しながら、多種多様な新規事業の立ち上げと数十の業態の取締役等の経営経験を持つ。

 新規事業計画で、人事の計画も線表に落とし、具体的な活動につなげている企業が果たしてどれだけあるだろうか? 事業を成功させるために必要な人材とは何か。その人材は外部市場にいるのか。どんな条件なら来てもらえるか。外部から調達できなければ社内で育成するしかないが、そのために必要なことは何か、などを検討せずして、事業を成功に導くことは難しい。

 まず人事から、事業責任者に対し、必要とする資源は何かを質問していくことが必要だ。お互いに、事業を成功させるには人材が要だと心から認識すること。そして、それはどこまで妥協することが可能なのかも、あらかじめ決めておきたい。その上で、必要とする人材を発掘するため、セミナー等に出席する、社内の人材を調査するなどの活動を行っていく必要がある。

 今でいうサクセッションプランであり、戦略人事のスタートかもしれない。事業責任者に言われるがまま人探しをしていたのでは間に合わない。ビジネスコーディネーターを人事が務められることを理解してもらって、やっと人事の役割を大きく変えることができる。

 事業を立ち上げる部署は得てして責任を押し付けられやすく、社内で孤立しやすい。人事が経営サイドとの間に入り、事業責任者とともに経営陣を本気で説得して、成功するまでの忍耐と、既に出来上がったビジネスとは違う物差し(評価軸)を持ってもらう必要がある。こうした人事の関与は、当該部署と経営サイドの間に連携を構築することに繋がり、同時に、人事を信頼してくれるようになることで、厳しくとも頑張り続ける関係性を構築できる。

 IT化で、戦略を維持できる期間が短くなると同時に、事業立ち上げのリードタイムも短くなり、人事が後追いになるリスクがますます高まっている。戦略人事を今こそ実践に移すときではないだろうか。

  
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◆Wedge2016年3月号より

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