いくつもの新規事業立ち上げにかかわって来て、事業の成功確率をあげるポイントが分かってきた。それは事業計画のスタート段階から人事が参画することだ。1人の人材を入れることにより、危機を回避し、難局を打開したケースに遭遇したことは枚挙にいとまがない。誰がビジネスを立ち上げるのか、どのようなメンバーを揃えるかで、成否は大きく左右される。
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新規事業は会社にとって次の柱となる可能性を秘めたビジネスだ。それを興す人材を選ぶことは、今後の会社のDNAを継承していく人材を選ぶことと同義だと言える。
一般的に人事は、「所詮人事に言ってもビジネスは分からない」「事業計画はできた。人材はどうにかしてくれ」と腑に落ちない仕事をさせられる。私も、人材探しが後追いになり、ビジネスの立ち上げ時に“あり合わせ”の部隊で始めざるを得ない経験を沢山してきた。
新規事業計画にしろ、M&Aのデューデリジェンスにしろ、カネとモノについては外部の意見も得ながら、あらゆる角度から徹底的に検討・検証する。人材に関する事業計画となると、詰めが甘くなることが多い。