2024年11月22日(金)

ビジネスパーソンのための「無理なく実践!食育講座」

2016年11月7日

できる限り多種多様な料理を食べるようにしよう

 このコラムの第1回で書いた大原則(=バランスのいい食事というのはできるだけ多種類の食材を食べること)を外食で実現するためには「同じ物を食べない」点に気をつければいい。

 その、もっとも簡単な方法は「いつも同じ店に行くこと」を避ける。いつもの店は居心地がいいだろうし、「近い」「安い」など、つい行ってしまう理由があるのだろう。そこをグッとこらえて「なじみのお店」の数を増やすことによって、マンネリを防ぐ。あなたの健康を心配して気遣ってくれるおかみさんやオヤジさんがいて(お嬢さんやお兄さんならさらにいい)、親身になって栄養バランスを考えてくれるほどの関係ができていれば話は別なのだが、なかなかそうはいかないだろう・・・・。

 次は、同じ店に行っても「同じ料理を注文すること」を避ける。いつもツイツイ頼んでしまう料理には「好き」「美味しい」などの理由があるに違いない。理解はできるが、同じ料理が続くと(それがバランスのとれた料理ではあっても)やはり全体の栄養バランスは偏る。急いでいたり、面倒であったりしても「いつものヤツ」という注文の仕方ではなく、毎回メニュー(お品書き)を見て、できるだけ「前回と違う料理」を注文する。

 上に書いたことと「内容がカブル」かもしれないが、「ジャンルを固定しない」ということも心がけよう。幸い、日本では世界各国の料理が食べられる(日本人好みに変えてはあるが)。和風はもちろん、中国風や韓国風、洋風(フランス風、イタリア風、ドイツ風、ロシア風等々)、エスニック(東南アジア風、インド風に加えて中近東風やアフリカ風もこれに入るだろうか)、中南米風(メキシコやブラジルなど)、特徴が際立ってはいないがイギリス風やアメリカ風やオーストラリア風だってあるだろう。こんなにバラエティに富んでいるのだから、それをいかさない手はない。いろいろなジャンルの料理にチャレンジしよう。

 くどいようだが、今回ここに書いたことを実行したからといって「健康状態が確実によくなる」というエビデンス(科学的証拠)はない。栄養バランスの偏りが多少なりとも防げるだろうから「たぶんいいだろう」と私が考えるだけである。外食の機会がものすごく多いビジネスパーソンは、併せて、下記のような「外食の基本的特徴」を頭に入れておく必要がある。

・多くの外食店の優先順位は、まず「食中毒を出さないこと」であり、「おいしいこと」「安いこと」が続き、最後に「健康にいいこと」が入ってくる。

・外食が続くと必ずといっていいほど野菜の摂取量が不足する。

・値段設定が高い外食店では動物性タンパク質をとりすぎる傾向になり、値段の安い外食店では動物性タンパク質が不足する傾向にある。

・外食店の「栄養的問題点」のトップは食塩の過剰摂取である。

 これらのことを忘れず、お財布と相談しながら外食と上手につきあおう。
 

  
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。   


新着記事

»もっと見る