2024年12月14日(土)

ビジネスパーソンのための「無理なく実践!食育講座」

2016年11月7日

 いま、現代人の食事は「一日三食」が基本となっているので、一般的に私たちは1週間に21回の食事をしていることになる。ビジネスパーソンは、そのうち何回くらいが外食だろうか? 科学的データではなく私の想像だが、平均で15回くらいか? ちなみに、国民健康・栄養調査では、20代30代40代男性の「外食利用率」は「ほとんど毎日」が3~4割のようだ。同じく女性では1割くらい、となっている。【※1】しかしビジネスパーソンに限定するともっと多いのではなかろうか。

外食という魅力的な「トモダチ」と上手につきあおう

 私ごとで恐縮だが、私(いわゆる団塊の世代)は子供のころに外食をしたという記憶がほとんどない。働き手であった父親でさえも、ほぼ毎日、三食とも母親が手作りした食事を自宅でとっていた。

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 一方で、親元を離れて下宿をしていた学生時代にはほぼ90%以上が外食であった(正確にいうと即席ラーメンを買ってきて部屋で食べる場合をも含めての計算)。結婚をしてからもサラリーマン時代の初めの約10年間は週に18~19回は外食をしていたと思う(平日は「昼・夕・夜食」の三食とも外食という「規則正しい(?)食事」をしていた)。それはそれはひどい食生活を送っていた。

 ビジネスパーソンの皆さんの中にも、こんなにひどくはないかもしれないが、それに近い食生活を送っている人もあるだろう。現代人とりわけビジネスパーソンの場合は「外食なし」では生活そのものが成立しないといっても過言ではない。なので「健康のためにできるだけ外食をせず、バランスのいい手作り料理を食べましょう」というアドバイスは、栄養学的には正しいのだが、実生活ではあまり役にたたない。ビジネスパーソンは外食と上手につきあうしかないのだ。

 「外食に偏る食生活」というと、量的にも質的にもバランスが悪くて理想にはほど遠いと考えている人も少なくないのだが、だからといって外食が(理想的食事と近くはなくても)絶望的に不健康というわけでもない。約半世紀前の日本人の多くが母親の手作り料理を食べていた時代よりも、比較にならないほど多くの外食を利用している現代のほうが、日本人の健康と寿命が明らかに劣ってきているという事実はない。むしろ現代のほうがはるかに長生きであるし健康でもある。

 この両者の差は「外食」と「手作り食」の違いだけではなく、医療の進歩等々のおかげも、もちろんあるのだが、それを考慮しても「外食をしていては健康になれない」という結論には至らないといえる。要は「利用の仕方しだい」なのだ。

【※1】
http://www.mhlw.go.jp/houdou/0111/h1108-3b.html


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