マイナス金利時代を生き抜く処方箋

2016年11月8日

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江口真広 (えぐち・まさひろ)

モーゲージ・ネクスト モーゲージ・スペシャリスト。2008年より千葉銀行にて住宅ローンと法人融資に従事。2016年からモーゲージ・ネクストにて住宅ローンの借り換えコンサルティングサービスを提供。住宅ローンと海釣りをこよなく愛する男。

 今年の2月に導入されたマイナス金利政策の影響もあり、住宅ローンの金利低下が進んでいます。既に住宅ローンを借りている皆様は「新しく借りるわけじゃないし、自分には関係ないんでしょ?」等とお考えではないでしょうか? 既に住宅ローンを借りていても、住宅ローンの『借り換え』によって、その恩恵を十分に受けることができることかもしれません。

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 そもそも、住宅ローンの『借り換え』とは、既に借りている住宅ローンを今とは違う金融機関で借り直しすることをいいます。借り換えをする際は、新しい金融機関で借り換えする月の金利が適用されるため、現在の金利低下のメリットを受けることができるのです。借り換えによる主なメリットは以下の3点です。

 ① 毎月の『返済額を減らすこと』
 ② 毎月の返済額はそのままで『借入期間を短くすること』
 ③ その他の『付加価値(8大疾病補償の団体信用生命保険(以下、団信)等)を追加すること』

 各金融機関が金利を下げてきていますが、やはり金利の引き下げには限界があります。そのため、死亡・高度障害時のみに対応できる通常の団信だけではなく、8大疾病補償付の団信を付保できる金融機関が増えたりと、住宅ローン商品の多様性が益々増えてきています。借入当時に加入した団信を変えられるのも、基本的には借り換え時のみなのです。

 ですので、金利が低いからとすぐにその住宅ローンに飛びつくのではなく、『住宅ローンのトータルバランス』という見方も今後必要になってくるかもしれません。

 借り換えするにあたり申込をする銀行には大きく分けて2つあります。それは①実店舗を持たない『ネット銀行』と、②実店舗を持つ都市銀行・地方銀行等の『店舗系銀行』です。①のネット銀行は店舗を持たず、人件費も店舗系銀行より抑えられるため、一般的には店舗系銀行よりも金利は低い傾向にあります。では、他にどんな違いがあるのでしょうか?

【実際の事例に見るネット銀行と店舗系銀行の違い】
○案件概要
・賃貸併用住宅、両親との二世帯住宅を住宅ローンで借りている
・ローン残高は5500万円
・金利は10年固定2.6%、固定金利期間終了後は基準金利より1.0%割引
 (現在の金利水準だと10年後に変動金利1.475%になる計算)

 この案件で一番のネックになるのは、建物が『共同住宅』で登記された『賃貸併用住宅』だということです。一般的に、賃貸住宅部分があると住宅ローンよりも金利が高いアパートローンの対象とされ、住宅ローンの対象物件とはなりません。

 本件はまず金利の低いネット銀行で申込できる銀行を探しましたが、結果として申込できる銀行はありませんでした。これはネット銀行に顕著なことですが、「基準外のことはやらない」、「ダメなものはダメ」と割り切って運営しています。

 その後、店舗系銀行に直接案件相談に回ったところ、2つの銀行で本人世帯・両親世帯の居宅部分が合計で50%以上あれば通常の住宅ローンで取組ができるとの回答をもらいました。今回の事例を見ても、店舗系銀行は担当者に直接相談できるため、ネット銀行よりもある程度柔軟に対応してもらえる可能性があることがわかります。

 今回の事例で最終的に借り換えたのは大手の都市銀行です。当初は銀行担当者より「賃貸併用住宅なので金利は1.00%になればいい方ですよ」と言われていましたが、交渉の結果、その銀行の一般的な住宅ローンの最優遇金利である変動金利0.625%の金利で借り換えすることができました。ネット銀行では金利の交渉はできませんが、直接の金利交渉により金利割引の上乗せの可能性があるのも店舗系銀行のメリットかもしれません。

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