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2017年1月13日

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土方細秩子 (ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

 もちろんバンそのものもインテリジェントで、常にデータセンターとつながっており、自動運転機能は備えていないもののそれに準じたコミュニケーションを周囲の車、あるいはドライバーと交わす。配送のため停止する場合車の前後に取り付けられたLEDパネルに情報が示され、後続のドライバーあるいは歩行者が常に車が停止する、あるいはスピードを緩めるタイミングを知ることができる。

 車内のパネルには現在の速度、ルートプランニング、ドローンの位置などが示される。貨物の取り出し口にも情報センターがあり、歩行者が近づいている、などの警告を出す。またドライバーのスマートウォッチとも連携し、配達先の住所、もし電子ロックがかかっている場合はその解除コードなどが示される。

 このビジョン・バンとドローンの組み合わせにより、注文したその日に配送、あるいは細かい時間指定の出来る配送が可能となり、顧客満足度を上げると同時に配達の効率性、クオリティを増すのが目的だ。

配送が完全にドローン化される日

 バンを配送センターと位置づけ、そこから「ラストマイル・デリバリー・システム」を構築するのが最終的な目標になるが、それにはまだ障害も多い。まずドローンによる配送は数々の規制があり現実的には困難だ。カワサキ氏の「いつか配送が完全にドローン化される日は来るのか」という質問に対しモーンヒンウェグ氏は「イエス、しかし場所による」と答えた。広い庭がある一軒家が並ぶ郊外では可能でも、コンドミニアムが立ち並ぶ都市中心部ではドローンが物品をドロップする場所の選定など、具体的な課題は多い。

 しかしCESという場で自動車メーカーがドローンを展示し、バンとの組み合わせで未来の配送システムを考える、というのは非常に斬新な内容だ。AIはますます業界同士の壁を低くし、様々な形の複数業界に渡る協力関係が生まれる可能性がある。今回の発表はビジネスアイデアを生み出す上での一つのお手本と言えるかもしれない。

  
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