使えない上司・使えない部下

2017年7月28日

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吉田典史 (よしだ・のりふみ)

ジャーナリスト・記者・ライター

ジャーナリスト。1967年、岐阜県大垣市生まれ。2006 年から、フリー。
主に、人事・労務分野で取材・執筆・編集を続ける。『悶える職場』(光文社)、
震災死』『あの日、「負け組社員」になった…―他人事ではない“会社の落とし穴”の避け方・埋め方・逃れ方』(ダイヤモンド社)『封印された震災死』(世界文化社)など。

 今回は、企業や団体、公的な機関などの社員教育を手掛ける株式会社新規開拓の管理部長・阿部由里さんを取材した。人材教育支援会社などを経て、同社の人事・総務などの部長を務める。新卒や中途採用試験にも面接官として参加し、日々の仕事では部下の育成などもする。

 阿部さんの目に映る「使えない上司、使えない部下」とは…。

「使えない」と言っている上司が「使えない管理職」

(twinsterphoto/iStock)

 「使える、使えない」という言葉を見たとき、「仕事ができる、できない」よりも、まず「好き、嫌い」をイメージしました。女性の場合は、特に上司のことを「好き、嫌い」で判断する人は、多いでしょうね。

 私もかつては、そのように上司を見ていました。30歳の頃に仕えた50歳くらいの男性の上司は仕事はできる方でしたが、話がまわりくどいのです。周囲に気を配っていたのでしょうが、何が言いたいのか、わからないことがありました。当時、私はまだ若かったこともあり、「だから、何なの?」と思っていました。

 本来は、相性がよくなくとも、仕事の中身や実績で判断するべきなのですが、それができていなかったのだと思います。今は管理職となり、部下もいます。部下を評価するときに、「好き、嫌い」で判断することはさすがにないですね。部下にも、「好き・嫌いで上司や周囲の人を見るべきではない」と言っています。「相性が合う、合わない」は、あなたの思いでしかない。組織に所属している以上、まずは目の前の仕事をきちんとしなさい、と。
 
 上司も部下も互いにコミュニケーションの取り方などを勉強しないといけないですね。若くて経験が浅いときは、ちょっとしたことで「自分はできる」と勘違いし、天狗になる人もいます。それが横柄な物言いとして現れたときには、上司として注意をします。当社では、社長もぴしっと厳しく言います。「口を慎みなさい」と。

 私が部下を見ている限りですが、女性よりも男性のほうが愚痴は多いのかもしれません。人事部門の管理職ですから、関係書類に承認のサインをします。そのとき、駄目なところを「これは、どういうこと?」と聞くと、ぶつぶつと不満を言ってくることがあります。

 それが許容範囲を超えると、腹が立つことはありますよ。ここ1年くらいは、部下の言動に不満を私が感じたとしても、全部のんでいますが…。修行僧みたいなものです。だから、気持ちの中で沸点がここまで来ているんです。あと、ミリ単位で上に上がったら、ボンと爆発するかもしれませんね(苦笑)。

 実は、「使えない社員」なんていないと思うんです。「使えない人材」と判断していたならば、採用試験で雇いませんよね。私も肩書をいただいている立場ですから、育成する責任があるのです。上司ならば、部下をみて「どうすれば、使える人材になるか」と考え、最大限に活用できるようにするべきなのだと思います。

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