WEDGE REPORT

2017年12月6日

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 さかたさんは4人の子どもの母親。長らく建築事務所で働いていた。4人目の子どもを出産後、復帰して働いていたが日々の生活を回すだけで精一杯だったという。「仕事から帰ってきて、何とか子どもを寝かしつけることが目標になり、子どもと楽しく触れ合う時間なんて皆無。言うことを聞かないとつい怒鳴っていまい、『このままじゃいけない』と思うようになりました」(さかたさん)

 一番上の子が小学校4年生になったタイミングで、「こどもDIY部」を立ち上げた。当時住んでいた地域では4年生になると学童に入れなくなるため、この年齢の子どもたちを中心としたプログラムを作り、放課後の居場所をつくりたいと思ったのだ。

さかたともえさん

 立ち上げ当初は地域のセンターで場所を借りてやっていたが、2年半前に現在の「アトリエ」に移った。メンバーは20名。下は4歳から上は11歳までと幅広い。未就学~小学校低学年で初めて訪れる子が多いという。きっかけは子どもが既にこどもDIY部に通っている友達から教えてもらったり、親がSNSで情報を得たり、というパターン。「子どもに色々な体験をさせたい」「様々な素材に触れさせたい」「ものを作るのが好きだけど、自宅でやるのは限界があるので……」といった親の思いがあるそうだ。

 工作教室だけではない。ネットリテラシーを身につけながら作品をつくる「動画クラス」、最近始めた「教えない料理教室」、その他には「ヒミツ基地キャンプ」やシュノーケリングなど、自然の中で思い切り遊ぶことを大切にしている。さらに、子どもたちが「やりたい」と言ったことはどんどんやらせる。「カフェをやってみたい」から生まれた「キッズカフェ」、さらにそこから形を変えて現在取り組んでいる「キッズマルシェ」では、販売だけでなく、仕入れから値付け、どうやったら利益を出せるのか、までを考えて「おみせやさんごっこ」をしているのだという。非常にリアルな社会体験だ。

月に1回開かれる「キッズマルシェ」

子どもたちがすべてを運営「こどものまち」

 それらの集大成とも言えるのが、今年3月に行われた「春はのんびりこどものまちをつくろう」だ。1週間かけて、子どもたちが「まちづくり」をしていく。ドイツのミュンヘンで30年以上行われているものを参考にしており、見守る大人はいるものの、すべて子どもたちだけで「まち」を運営していくものだ。子どもたちはまちで仕事をし、給料をもらい、税金を納めて、その残りで買い物をしたり、ゲームをしたりして遊んだりできる。役所、ハローワーク、銀行、学校、デパート、ゲーム屋、工房など仕事場も多岐にわたり、子どもたちは自分のやりたいことをやりたいようにやる。それで本当に「まち」が成り立つのか、と疑問に思うが、これが不思議とうまくいくのだという。

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