2024年4月26日(金)

中国メディアは何を報じているか

2018年2月23日

正月土産はドローン、スマートスピーカー、お掃除ロボット

 中国網の22日の「ドローン、スマートスピーカー、お掃除ロボットが春節の新たな年貨の3トップに」という記事は、今年の消費トレンドを伝える(http://news.china.com.cn/txt/2018-02/22/content_50580832.htm)。21日にアリババが発表した「2018年中国人新年俗(正月の風習)調査」から、「父母を連れて大みそかの食事をし、海外旅行に出かけ、映画を見るのが新たなトレンドに。ドローン、スマートスピーカー、お掃除ロボットが春節の新たな年貨の3トップになった」と伝える。ちなみに伝統的な3トップは、その土地のお土産、健康グッズ、服飾品だった。

 中国旅行研究院が中国最大のOTA(Online Travel Agent、オンライン上のみで取引を行う旅行会社)Ctrip(シートリップ)と2月初旬に発表した「2018春節海外旅行トレンド予測報告」によると、海外旅行者は650万人で過去最高となる見込みだ。中国経済網がこれを引用して伝えた記事(http://finance.ce.cn/gsxw/201802/02/t20180202_28029762.shtml)によると、団体旅行の割合は52%、個人旅行が48%とほぼ拮抗している。一人当たりの2月初め時点での海外旅行商品の成約額は9500元(16万円)となっている。

日本が海外旅行人気2位

 人気の旅行先は2月1日時点のCtripのデータによると、タイと日本が2トップで「タイに避寒に行き、日本に雪を見に行くのが流行」という。新華社は19日「春節の海外旅行、中国客はもはや盲目的な buy buy buyをしない(www.xinhuanet.com/yuqing/2018-02/19/c_129813854.htm)」という記事で、「日本では、あまり有名でない観光地で新鮮な旅をするのと、大衆的な観光地をディープに旅するのが中国人客の新トレンドになっている。たとえば、東京から遠くない伊豆は富士山、箱根、鎌倉などに続く新興の目的地になろうとしている」と伝える。この記事は中国人客は爆買いからより理性的な購買にシフトしていると解説する。

 同じ新華社は18日、購買トレンドのシフトについて、中国旅行社のドイツ支社長のインタビューを掲載している(www.xinhuanet.com/2018-02/19/c_1122428962.htm)。「以前、中国人が海外旅行で回っていたのは主にブランドショップで、買っていたのは高級バッグや腕時計だった。今、もっと回るようになっているのは、大衆的なスーパーやショッピングモールで、買うのは主に健康グッズ、粉ミルク、キッチン用品などより実用的で大衆的なものだ」との支社長の言葉を紹介している。

海外で文化娯楽消費が増

 人民日報テレビは20日、「中国の春節の消費が全世界で旺盛、海外旅行が春節消費の重要項目に」というニュースで、海外消費が購買から文化・娯楽にシフトしつつあると指摘した(http://tv.people.com.cn/n1/2018/0220/c39805-29826903.html)。「春節経済の影響力は世界に及んでいる」という、あらゆる中国メディアに共通する指摘もされている。

 毎年新たなトレンドを見せる春節。映画の興行収入が前年比6割増になったり、春節と言えばあらゆる店が閉まるのが当たり前だったのに、スーパーや市場、宅配サービスで通常通りの営業をするところが増えたり。家政婦のサービスが休暇中も利用できるようになったり……と変化を挙げていくときりがない。

 今年の春節の消費が大きく動く期間はすでに終わってしまった(とはいえお正月気分はまだ当分続くのだが)。新トレンドにキャッチアップし、ぜひ来年の春節消費という巨大な販売機会を多くの日本人に捉えてもらいたいと思う。
 

  
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