世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2018年5月15日

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 デイヴィッドソン次期太平洋軍司令官の上院軍事員会での発言は、ごく常識的なものである。その中で、米国のインド太平洋地域での安全保障戦略において、豪州とインドが、それぞれ米国との関係は異なりながらも、重要な国として位置づけられていることが明確にわかる。

 豪州は、この地域での米国の最も緊密な同盟国である。常に軍事的行動を共にし、米国からの防衛装備品も多く購入している、米国が頼りにする同盟国である。米国は、豪州が日本やインドと防衛協力を進めていることを歓迎する。

 米印関係は、今後、協定を締結する等、これから強化されて行く関係である。両国間の軍事協力も、まずは非伝統的分野である海賊対処や人道援助等から進めるようである。近年では、軍事合同演習も活発に行われ、昨年(2017年)5月には、米印合同軍事演習に日本も加わった。これは中国を牽制する意味合いもあっただろう。

 上院の公聴会で興味深かったのは、上院議員が、必ず、中国との関係を引き合いに出し、中豪関係や中印関係が、米国の安全保障にどのような影響を与えるかを質問していることだ。デイヴィッドソンによると、豪州の方が中国と比較的上手くやっていて、インドは中国と競争関係にあるとの認識だった。また、インドは、米太平洋軍が管轄するインド太平洋地域において重要なアクターであるのみならず、CENTCOMが管轄するアフガニスタンを含む中央アジアにおいても重要な国家であることが述べられた。そういう意味からも、米国にとって、インドは、今後、戦略上の価値が下がることはないだろう。

 日本は、日米豪印の防衛関係を強化し、自由で開かれたインド太平洋地域を目指す。その過程で、日本は、救難飛行艇US-2をインドに輸出することを決めた。これが実現すれば、日本の防衛装備品移転3原則の下、日本の開発した防衛装備品が国際社会の平和と安定に寄与する画期的出来事となる。


  
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