赤坂英一の野球丸

2018年5月30日

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 ところが、日大アメフト部のケースでは、関学の奥野選手に直接会って謝罪したい、と宮川選手と両親が内田監督に伝えたところ、「いまはやめてほしい」と内田監督が謝罪の機会を奪っている。さらに、23日の記者会見で、なぜ内田監督自ら謝罪に出向かなかったのかと質問されると、「相手の監督から電話が来ると思った」などと他人事のようにコメントしているのだ。これだけでも、日大アメフト部首脳陣が、いかにスポーツマンシップから逸脱しているかがわかるだろう。

 最後に、危険タックルを指示したとされる井上コーチの言い分について。井上コーチは23日の会見で、宮川選手に対し「関学のQBをつぶしてこい」と話したことは認めたものの、「ケガをさせろという意味ではなかった。そういう気持ちでいけということだった」と弁明した。これについて、やはり指導者経験の長い元投手のプロ野球OBは言っている。

昔とは時代が違う

 「プロ野球界でも1990年代前半ぐらいまでは、若い投手に『ぶつけろ』とか『ぶつけるつもりで内角を攻めろ』というコーチはいた。当時、プロに入る選手は、アマチュア時代に怒鳴られたり殴られたり、ケンカ腰で野球をやってきたりしていて、われわれが多少乱暴な言葉遣いをしても、屁とも思わない選手が多かったから。

 しかし、いまはそうはいきません。最近の選手は昔に比べ、中学や高校で体罰を受けることも減り、優しく指導されていますから。プロへ入ってきた途端、コーチに『何をやってんだ!』と怒鳴りつけられただけで真っ青になり、ボールが手につかなくなったりする子もいる。『相手をつぶせ』と言われたら、文字通りに受け取って、パニック状態になりかねない。日大の宮川選手も、相当精神的に追い詰められていたんじゃないか」

 日本のアメフト界は今後、この問題の対策と再発防止にどのように取り組んでいくのか。ほかのスポーツ界からも厳しい視線が注がれている。

  
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