2024年5月9日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2012年7月31日

 今年初めに、米国防長官は、4~6月にイスラエルのイラン核施設攻撃があると予想し、3月にネタニヤフ首相が訪米して以来、イスラエルのイラン攻撃は必至であると言明し、選挙年の米国でイスラエルの意向に反対することは出来ないと考えられていましたが、その6月も過ぎた最近では、攻撃反対の論説が処々に出てくるようになりました。

 その間、イスラエルでは連立政権が出来、米国ではなくイスラエル内の論評で攻撃反対論が出てくるようになり、遂に米国でも、Foreign Affairs誌7-8月号の冒頭論文は、「イランは核武装しても良いではないか」(Why Iran Should Get the Bomb)、であります。

 たしかに、イランの場合、現在核施設を破壊しても、いずれは再建してくることは、以前から分かっている通りですし、(それに対する反論は、いずれにしても数年は稼げるということです)、また、攻撃は、本来親米的なイランの世論を一挙に反米にする効果があることも指摘されていますので(最近のニューヨーク・タイムズ紙のクリストフ氏のイラン旅行報告では、イラン人は親米的であり、経済の苦境は制裁の故というよりも政府の政策に帰していると思っていると書かれています)、制裁を継続したまま、今しばらく様子を見るということが、西側のコンセンサスになりつつあるようです。

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