経済の常識 VS 政策の非常識

2012年9月3日

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 政府は、環境政策と景気対策の一環として、一定の環境性能を満たした自動車の購入に補助金を支給するエコカー補助金の復活と、エコカー減税の延長を決定した。

 2008年9月のリーマンショック以降の景気悪化に対して、09年4月から10年9月までも行われた政策だが、それを復活させた。補助金支給の対象となる車は11年12月から13年1月末日までに新規登録したものである。車種ごとの予算の総額が決まっているので、トラックなどでは、予算がすぐにも底をつくと予想されて、駆け込み需要が急増している。

 自動車がこれまで多大な税金を課されていることには同情する。買った時に取得税、保有にかかる自動車税、車検ごとに重量税、運転すればガソリンにかかる揮発油税を払わされる。日本ほど自動車関連税の高い国はないだろう。だから、不況とCO2削減が必要という風潮に乗って、補助金や減税を求めるのも止むを得ないのかもしれない。

 しかし、そもそも、すべての商品、すべての産業、すべての土地、すべての人間は平等に扱われるべきである。ある商品が贅沢品なら高い税金を課すのは当然だと考える人が多いかもしれないが、贅沢をする所得のある人はすでにその所得に高い税を課せられている。さらに課税するのは二重課税にならないだろうか。

 農業は特別の産業であるから保護すべきとか、農産物を生産している土地には税を安くすべきとかいう主張には根拠がない。根拠がないという主張は、すべての人間は平等に扱われるべきという認識から当然に導かれるものだ。どの商品を造るか、購入するか、どの産業に従事するか、どのように土地を使うかは、平等な人間の自由に任せるべきものだ。

 ただし、CO2が本当に地球を温暖化し、それを食い止めることが必要であれば、CO2をより排出する産業を差別的に扱うことが必要になる。

CO2削減に効果はあるのか

 CO2を減らすために税金を負けたり、補助金を与えたりする必要があるというのは分かる。CO2を減らしても自分のコストが減る訳ではない。

 CO2が減少して利益を得ることができるのは、温暖化を免れる地球全体であって、CO2を減らした企業ではないからだ。しかし、特定のCO2削減策に本当に効果があるかどうかは別のことである。

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