世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年6月5日

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 米ニューヨーク・タイムズ紙のDavid E. Sangerワシントン支局長及びChoe Sang-Hunソウル特派員は、5月6日付ニューヨーク・タイムズ紙で、「北朝鮮、その新しい指導者についての情報は掴みどころがないままである」との論説を掲げ、北朝鮮に関する情報には限界があることを論じています。

 すなわち、オバマ・朴会談の準備にあたり、情報専門家は共通の敵、北朝鮮について不完全な理解しか持っていない。北朝鮮の指導部や兵器についての理解は悪化さえしている。

 CIAは当初、金正恩が父親、祖父の先軍政策よりも経済改革に関心があると判断したが、これは今や間違いだったとされている。

 第3回目の核実験から3カ月経つが、米国は北朝鮮がウラン爆弾を実験したのか否か、答えられない。北朝鮮が、米国が航空機で集めている北朝鮮周辺空域でのガスを封じ込めたからである。

 その後、新型移動式ミサイルが現れたが、偵察衛星から隠され、グアムに届く能力があるのかどころか、所在もわからない。

 国防情報局(DIA)は、北朝鮮はミサイルに核弾頭を付け得るまで小型化したと言ったが、オバマ大統領、国家情報長官はそれに疑問を呈している。

 北朝鮮の情報を収集するのは、常に難しい。北朝鮮はスパイ摘発に長けている。また、北朝鮮の科学者は外国旅行をせず、旅行の時も監視役がいて接触が困難である。携帯電話の利用が北朝鮮でも始まったことは情報収集にとり好都合であるが、効果は限られている。

 イランでは、ナタンズの濃縮施設へのサイバー攻撃が出来たが、これもコンピュター、インターネットがあまり使われていない北朝鮮では難しい。

 金正恩に関する情報も不確かだ。中国も金正恩とは金正日と違い、ほとんど会っていない。米国人で彼と会ったのはバスケットボールのスター、ロッドマンぐらいである。

 小野寺防衛大臣は、金正恩はいつ平和モードに戻ればいいのか判らないのではないか、と心配していると述べた。

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