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2015年6月19日

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小泉悠 (こいずみ・ゆう)

財団法人未来工学研究所特別研究員

1982年生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。民間企業を経た後、2008年から未来工学研究所。09年には外務省国際情報統括官組織で専門分析員を兼任。10年、日露青年交流センターの若手研究者等派遣フェローシップによってモスクワの世界経済・国際関係研究所(IMEMO)に留学。専門は、ロシアの軍事・安全保障政策、軍需産業政策など。著書に軍事大国ロシア』(作品社)、『プーチンの国家戦略』(東京道堂出版)『ロシアの軍事情報を配信するサイト「World Security Intelligence」(http://wsintell.org/top/)を運営。

 ところが今回、サウジアラビアは大規模な経済協力代表団を送り込むとともに、軍の代表団をモスクワ郊外のクビンカで開催されている軍事技術フォーラム「アルミヤ2015」にも送り込んだ。

 さらに6月17日、ロシアの有力経済紙『コメルサント』は、今回のフォーラムに合わせて国防相を務めるムハンマド・ベン・サルマン王子が訪問し、プーチン大統領とも会談する予定であるというサウジアラビア関係筋の談話を掲載した。以下、その一部を抜粋して紹介しよう。

(引用)

  セルゲイ・ストローカン、イワン・サルフォノフ「根本的な意義を持つ訪問:サウジアラビアのムハンマド・ベン・サルマン王子がロシアとの関係を解凍するためにやって来る」『コメルサント』2015年6月17日

 サウジアラビア外交筋が本紙に明らかにしたところによると、サルマン国王の息子で国防大臣のムハンマド・ベン・サルマン王子がロシアを訪問する。サウジ政府内で第3位の同王子の訪問は、シリアに対する立場を巡る対立によって凍結状態にある両国関係を打破することを目的としたものだ。

 本紙の情報提供者が述べたところによると、サンクトペテルブルグでのフォーラムでは、ロシア連邦大統領ウラジミール・プーチンと王子との会談が準備されている。リヤドとワシントンが緊密な関係を持ち、サウジアラビアがロシアに対する制裁の鍵となる同盟国であることを考えれば、ムハンマド王子を長とするサウジアラビア代表団の訪問は、フォーラムにおけるセンセーションの一つである。

 上記のサウジアラビア外交筋によると、サウジアラビア国防相のサンクトペテルブルグ訪問は木曜日に始まる。また、本紙の情報提供者は、サンクトペテルブルグ国際経済フォーラム(この枠内ではロシアとサウジアラビアの特別ビジネス・フォーラムも実施される)にはもう一人のサウジアラビア指導部高官であるアデル・アル・ジュベイル外相が参加する可能性もあるとした。クレムリン筋の高官は、サウジアラビアの代表者がフォーラムにおけるウラジミール・プーチンの演説に出席することになっていることを認めた。同人によると、その後、ムハンマド・ベン・サルマン王子はプーチン氏と個人的に会見することになっているという。

(中略)

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