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2015年6月19日

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小泉悠 (こいずみ・ゆう)

財団法人未来工学研究所特別研究員

1982年生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。民間企業を経た後、2008年から未来工学研究所。09年には外務省国際情報統括官組織で専門分析員を兼任。10年、日露青年交流センターの若手研究者等派遣フェローシップによってモスクワの世界経済・国際関係研究所(IMEMO)に留学。専門は、ロシアの軍事・安全保障政策、軍需産業政策など。著書に軍事大国ロシア』(作品社)、『プーチンの国家戦略』(東京道堂出版)『ロシアの軍事情報を配信するサイト「World Security Intelligence」(http://wsintell.org/top/)を運営。

サウジ王家はこの11年間でどれだけ若返ったか

 1月23日夜、サウジアラビアのアブドラ・イブン・アブドル・アジズ・アス・サウード国王が91歳で崩御した。OPEC最大の石油産出国であるこの王国の新たな長となったのは、79歳のサルマン・イブン・アブドル・アジズ・アス・サウード氏である。

 「王子のサンクトペテルブルグ訪問は特別の意義を持つ出来事だ。第一に、これは今年1月にサルマン新国王が即位してから初めて、リヤドの高官が行うロシア訪問である。第二に、これはシリア紛争を巡る双方の厳しい対立が生じて以降、4年に渡って断絶していたサウジアラビア政府代表団の初のロシア訪問である。これまでモスクワがダマスカスを支援し、これに反対するリヤドがバシャール・アサドの退位を働きかけてきた状況下では、両国は様々な側面でバリケードを築いていた。しかし今日、氷は溶けてきたようだ」———『イスラムの聖地における21世紀のサウジアラビア』の著者である中東学者コンスタンチン・ドゥダレフは本紙にこのように話した。

(中略)

世界最大の武器輸入国になったサウジアラビア

 HISジェーンズが行った調査によると、サウジアラビアは2014年にインドを抜いて世界最大の武器輸入国になった。

 ロシアとサウジアラビアのビジネス・フォーラムでは、安全保障、インフラ建設、電力、銀行間協力、観光、石油化学、石油業務に関する問題が話し合われる。また、サウジアラビア代表団の訪問においては、核の平和利用、宇宙開発、ロシアのGLONASS衛星航法システムの利用に関する政府間協定への調印が予定されている。このほか、両国の関係閣僚は、農業分野及び住宅建設・サービスに関する相互理解覚え書きにも調印する。

 象徴的なことに、ムハンマド・ベン・サルマン王子とその関係者は、今週ロシアを訪問するリヤドからの唯一の代表団というわけではない。サウジアラビア軍代表団は、クビンカで開催されている国際軍事技術フォーラム「アルミヤ2015」を訪れている。

 タス通信がサウジアラビア代表団関係者の談話として伝えたところによると、軍人達はロシアの作戦・戦術ミサイル・コンプレクス「イスカンデル-E」の購入について話し合う意向である。「ロスオボロンエクスポルト」(訳註:ロシアの国営武器輸出公社)は、この件について何もコメントしていない。

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