WEDGE REPORT

2016年5月10日

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田村明子 (たむら・あきこ)

ジャーナリスト

盛岡市生まれ。1977年米国に単身留学し、1980年から現在までニューヨーク在住。著書に『ニューヨーカーに学ぶ軽く見られない英語』(朝日新書)、『知的な英語、好かれる英語』(生活人新書)、『女を上げる英会話』(青春出版社)、『聞き上手の英会話』(KADOKAWA/中経出版)など。翻訳書も多数。フィギュアスケートライターとしても知られており、『銀盤の軌跡』(新潮社)などの著書もある。

 「What’s your favorite Omakase?」

ニューヨークのスカイライン(iStock)

ニューヨ―カ―の間で流行る“Omakase”

 そう聞いてきたのは、友人のエドワードだった。食べることが大好きで、彼のFBウォールにはいつも料理の写真がたくさん並んでいる。

 このOmakaseという単語、アメリカ人が発音すると「オメケーセー」に聞こえるので、何度か聞き返すはめとなった。エドワードのいう「オメケーセー」は、「おまかせ」。要するに、Japanese restaurantのOmakaseコースのことだった。

 SushiやSashimiはもとよりWasabi、Shiitakeや Tofuなど、日本語がそのまま英語化された言葉は特に食関係では少なくない。このところニューヨーカーの間で流行っている新しい日本語が、このOmakaseなのである。

 ニューヨークマガジンやタイムアウトなどのレストラン紹介セクションでも、毎回必ずと言って良いほど、Omakaseという単語が登場する。

 いまやニューヨークのグルメ文化は、和食を抜きにしては語れないのだ。

 でも本来のアメリカ人の食生活は、「おまかせ」などあり得ない、徹底的に個人が選ぶ習慣だった。

 レストランに入って「ハムサンドイッチ、プリーズ」と言っても、すぐに出てくると思ったら大間違い。「パンの種類は」に始まって、「ハムは何ハムか」「マヨネーズ、マスタードはつけるか」「レタスとトマトは」「パンはトーストするかしないか」というように延々と質問は続く。

 英語に自信がないうちは、頭を使いすぎて血糖値は下がるしおなかは空くしで「何でもいいから、何でも食べるから、早く持ってきて!」と悲鳴をあげたくなった。

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