田部康喜のTV読本

2017年8月10日

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田部康喜 (たべ・こうき)

東日本国際大学客員教授

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

 ドラマは、1話完結と2話完結が織りなされる編成となっている。さらに、ゲスト俳優・女優のなかからレギュラーに組み込まれる。脚本・演出の大根仁の手法は奇をてらわずに新鮮さを感じさせる。

 主演の瑛太の味わいは、「まほろ駅前多田便利軒」の多田啓介にどこか似ている。相棒の行天春彦(松田龍平)のとぼけた魅力と相まって、ドラマから映画にもなった。大根仁がドラマ「まほろ駅前番外地」の脚本を手がけたのもうなずける。

 第4話(8月4日)に至って、第5話(8月11日)との2話完結で、ハリネズミ(瑛太)は怪奇現象に挑む。

 人気漫画家の北村(内田慈)は、娘の七恵(後藤由依良)と二人暮らし。仕事場は近くのマンションである。仕事を終えて自宅に帰ると、オムライスを作った跡と絵が描かれたスケッチブックが残されている。セキュリティー会社と契約していて、侵入者の形跡はない。

 ハリネズミが仕掛けたカメラの画像を北村とみていると、驚異的な画像が送られてくる。七恵は姿が見えない何者かと話し、「ママ、抱っこ」とせがむと、何者かに抱えられるように宙に浮くのだった。

 ここで登場するのが、情報者の南(リリー・フランキー)から紹介された、霊媒師の河合(蒼井優)である。

 漫画家の自宅の和室にある床柱のなかに、霊力がこもっているのを河合は見抜く。呪文を唱えながら、しめ縄を床柱にめぐらして封じる。「近寄ってはだめよ」という忠告を守らずに、床柱の近くまできたハリネズミを巨大な爪をもった手が襲いかかる。

 河合が再び床柱のなかに押し込むと、「休んでもいいかな?」という。「うん」というハリネズミの腕に河合は倒れ込む。「けっこう疲れるのよ」と。

 果たして、怪奇現象の正体は。

深田恭子の変わらぬ魅力

 ドラマは個性派俳優・女優陣のテンポのよいセリフ回しによって、ハリネズミ(瑛太)と木暮(森田)の探偵コンビを引き立たせる。なかでも、深田恭子の魅力はいうまでもない。

 第2・3話の登場シーンでは、ハリネズミに間近に顔を寄せてほほ笑む、シャワーをあびる……ハリネズミのほほが緩む、お約束を暗示して微笑を誘う。

 深田の変わらぬ魅力とはなんなのだろうか。北野武監督の名作「Dolls」(2002年)では、ストーカーのファンに襲われて美貌を失った女性歌手を、「下妻物語」(2004年)ではロリータ・ファッションの少女を演じた。年月を経てもその可憐さは変わらない。ヒット作の「超高速!参勤交代」(2014年)では飯盛り女を、「ジョーカー・ゲーム」(2015年)では謎の女を。演技の幅の広さも並大抵ではない。

 霊媒師役で登場した蒼井優がドラマの展開でレギュラーになっていくのかどうか。これも楽しみである。

  
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