人情とおせっかいがモットーの「あかつか探偵事務所」の通称ハリネズミこと七瀬五郎(瑛太)と、相棒の木暮久作(森田剛=V6)の探偵コンビが都会の事件の推理に挑む、TBS金曜ドラマ「ハロー張りネズミ」(夜10時)が、主題歌の軽快なジャズのメロディー「ユメマカセ」に乗って、ドラマは快調な出だしである。
「まほろ駅前多田便利軒」を思い出させる瑛太の味わい
原作は、弘兼憲史のコミック。舞台の探偵事務所は東京板橋区下赤塚にある。所長は風かほる(山口智子)。六本木のホステスから事務所の庶務担当となる、四俵蘭子(しだわら・らんこ、深田恭子)のエピソードは、第2・3話の2話連続で明らかになった。
商事会社の副社長だった父が社屋から飛び降り自殺した、と思っていた蘭子のもとに、父が飛び降りる直前に何者かに脅迫されている、録音が届いた。大手の調査会社に依頼しようとするが、警察が自殺と断定した事件を蒸し返すつもりはない、と断られる。紹介されたのが、「あかつか探偵事務所」だった。
蘭子の父は死ぬ前の時期に、大掛かりな土地の売買サギに引っかかっていた。アラブのオイルマネーが東京湾岸に一大アミューズメント施設をつくる、用地を買収してもらいたいというものだった。いったん父の会社が手に入れれば、転売することによって大きな利益が転がり込むはずだった。しかし、それはライバルだった専務の舞原(中原丈雄)と、政治献金を狙う与党の大物政治家がしかけた罠だった。
サギの責任をとって、父が会社を辞めると同時に、その土地は政府の新エネルギー基地用地となり、大物政治家に闇献金することによって、舞原は社長の座を射止めた。
この事件の決定的な証拠を握っていたのは、情報屋の南(リリー・フランキー)だった。蘭子の父から証拠の文書を託されながら、事務所の資料のヤマのなかに埋もれさせていた。
真相を解明しようと、蘭子に録音を送ったのは父の信頼する部下の仲井(吹越満)だった。探偵コンビの七瀬(瑛太)と木暮(森田)、蘭子(深キョン)、そして南、仲井が動いたことを知った、社長の舞原と大物政治家は反社会的勢力を使って、対抗する。
南の事務所は爆破され、蘭子にヒットマンの手が及ぼうとする。ハリネズミこと七瀬は蘭子の窮地を救い、カゲで糸を引いていた社長の舞原は、仲井に射殺される。