前向きに読み解く経済の裏側

2018年9月25日

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塚崎公義 (つかさき きみよし)

久留米大学商学部教授

1981年、東京大学法学部卒業後、日本興業銀行(現みずほ銀行)に入行。主に調査関連部署に勤務した後、2005年に銀行を退行して久留米大学へ。著書に『増補改訂 よくわかる日本経済入門』(朝日新書)、『老後破産しないためのお金の教科書』(東洋経済新報社)、『世界でいちばんやさしくて役立つ経済の教科書』(宝島社)、『なんだ、そうなのか! 経済入門』(日本経済新聞出版社)など多数。

個別株への長期投資は、株価より会社の将来性を考える

 長期投資として個別株を買う時には、「この会社は10年後も元気に稼いで配当をしているだろうか」「会社が成長して立派になっているだろうか」だけを考えましょう。今の株が割高か割安かは、二の次です。もちろん、その銘柄に投資すると決めたあとで、「でも、今は割高だから、少し待ってから買おう」といった判断はあり得ると思いますが。

 その際に考えるべきことは、有名な大企業の株を買うか、小型株を買うか、です。大企業は、経営が安定しているので安心感があります。「配当と一株あたり純資産の増加を考えると、PER(株価収益率)が14倍なら、14年持っていれば元がとれそう」といった計算も立ちそうです。もっとも、成熟企業であれば、それほどの成長は望めないでしょう。そもそも、様々な業種の大企業の株を複数持つという事は、インデックス投信を買うのとあまり変わらない、と言えるかもしれません。

 小型株の場合、大きく成長する可能性がありますから、楽しみな一方で、倒産のリスクも大企業よりは大分高そうです。ハイリスク・ハイリターンであることを十分認識した上で投資をする必要があるでしょう。企業自体に問題がなくても、株式の流動性が低い(売買高が少ない)ため、売りたいと思って売り注文を出しても買い手がなかなか見つからない、というリスクもあります。特に株価が値下がりしている時には、買い手がみつからずに黙って暴落を見つめることになってしまうかもしれません。

 そうしたリスクを理解した上で小型株に投資する場合には、世の中の多くの投資家が知らない情報を自分だけが持っているといった場合もあり得ます。たとえば地元の飲食店チェーンで、最近客が増えていつも満員である、という場合、そうした情報は地元に住んでいて、そのレストランを使っている人にしか行き渡っていない可能性があります。それならばチャンスです。長期投資のみならず、1年間程度の投資期間で株価が倍になるといった可能性もあるでしょう。

 小型株の場合には、上記に反するようですが、同業他社の株に投資する選択肢もありそうです。というのは、「業界の中にいるからこそわかる、将来有望なライバル」の場合です。株価が何倍にもなるかもしれませんから、リスク覚悟で投資して見る価値はあるかもしれませんね。

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