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2019年7月15日

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樫山幸夫 (かしやま・ゆきお)

元産經新聞論説委員長

元産經新聞論説委員長。政治部で中曽根首相番、竹下幹事長番、霞クラブ(外務省)詰め、ワシントン特派員、同支局長、外信部次長、編集局次長、正論調査室長兼論説委員、産経新聞社監査役を歴任。2度のワシントン勤務時代は、ホワイトハウス、国務省などを担当、米国の内政、外交など幅広く取材した。

〝告げ口〟体質今も変わらず

 余談ながら、「告げ口外交」の起源を振り返ってみる。

 2017年に弾劾で職を追われた朴槿恵前大統領の〝得意技〟だった。就任した2013年、慰安婦問題など歴史認識に関連し、欧米各国との首脳会談や各国メディアのインタビューで、「日本は正しい歴史認識をもつべきだ」などと日本批判を展開した。

 自らに関係のない問題について憤りぶつけられた各国首脳の面食らった表情が目に浮かぶようだが、日韓両国間で処理することなく、第3国へ悪宣伝を展開することは日本にとって容認しがたいことだった。当時一部日本の有力政治家らが「女学生の告げ口」と表現、日韓関係を悪化させる原因となった。

 見かねた米国のオバマ大統領が仲介に乗りだし、2014年3月、核セキュリティー・サミットがオランダ・ハーグで開かれた機会に、自らと安倍首相、朴大統領の3者会談を実現させた。この時、安倍首相がにこやかに韓国語で話しかけたのに対し、朴女史は仏頂面でろくに挨拶も返さず日本国民を唖然とさせた。

 20⒔年6月、中国を訪問して習近平国家主席と会談した時には、あろうことかハルピンに安重根(1909年、前韓国統監の伊藤博文を暗殺した犯人)の記念碑設立を求めた。習主席は、記念館という要望を上回る計画で応じたから、これまた驚く。

 朴大統領が解任された後、文在寅政権になってこうした告げ口外交はとりあえず影を潜めていたが、今回のケースで、再び頭をもたげた。伝統的な韓国の対日外交の姿勢には全く変化のないことをあらためて示したというべきだろう。

  
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