日本の障害者スポーツ文化を変えたい
~片足アスリートの挑戦~

ブラジリアン柔術 堀江航さん(CARPE DIEM BRAZILIAN JIU-JITSU)


大元よしき (たいげん・よしき)  ライター

1962年東京生まれ。外資系IT企業からライターに転身。スポーツのほか、歴史関連も執筆中。著書に『あの負けがあってこそ』『命のバトン―自閉症児と個性派不登校児の教室』『1万回の体当たり―タックルマン石塚武生 炎のメッセージ』(以上ウェッジ)、『一緒に見上げた空』(扶桑社)。

あの負けがあってこそ

アスリートにとって、順風満帆の競技人生などは考えられない。怪我や敗戦は避けては通れない試練である。それは、「二度と口にしたくない」「思い出したくない」ものだったり、過去のものとして仕舞い込めない激しい葛藤として、長い間抱えているものかもしれない。しかし、敢えて競技人生最大の「敗北」を振返っていただくことで、その負けをいかに克服し、好転の機としてたちあがっていったのか、その心のあり様に焦点を当てたい。
人は誰もが挫折感や敗北感を乗り越えながら、自身で道を切り拓いてゆく創造者である。アスリートたちの敗北からの軌跡に触れ、人間力溢れる言葉に接してもらいたい。(画像:iStock)

»最新記事一覧へ

本稿はそれぞれのアスリートに競技人生最大の敗北(挫折や怪我も含む)を尋ね、その負けから何を学び、何を変え、どのように現在に至っているのか、その心のあり方に焦点を当てるという企画である。どのように試練を乗り越えたのかが一番のポイントとなる。

 しかし、今回のアスリートは経歴もさることながら、競技との向き合い方に独特の間合いのようなものを持っている。

 「競技人生最大の負けは?」という問いにも「あるのかな……」としばし固まり、

 「僕の場合は事故で足を無くしても、精神的に落ち込んで、そこから立ち上がって、頂点を目指す。みたいな感動的なストーリーはないですよ。試合に負けて落ち込んだ経験もないし……」

 この人にとって試練とはなにか、とても興味深い。 

サッカー少年「井の中の蛙」から全国へ

 堀江航(ほりえ わたる)1979年生まれ。

堀江航さん

 競技歴はサッカー、車椅子バスケットボール、車椅子ソフトボール、アイススレッジホッケー、ブラジリアン柔術と多彩である。

 まずは、その足跡を振り返ってみたい。

1
nextpage
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
「あの負けがあってこそ」

著者

大元よしき(たいげん・よしき)

ライター

1962年東京生まれ。外資系IT企業からライターに転身。スポーツのほか、歴史関連も執筆中。著書に『あの負けがあってこそ』『命のバトン―自閉症児と個性派不登校児の教室』『1万回の体当たり―タックルマン石塚武生 炎のメッセージ』(以上ウェッジ)、『一緒に見上げた空』(扶桑社)。

WEDGE Infinity S
ウェッジからのご案内

Wedge、ひととき、書籍のご案内はこちらからどうぞ。

  • WEDGE
  • ひととき
  • ウェッジの書籍