赤坂英一の野球丸

2016年3月2日

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赤坂英一 (あかさか・えいいち)

スポーツライター

1963年、広島県生まれ。86年に法政大学文学部卒業後、日刊現代に入社。88年より、スポーツ編集部でプロ野球取材を担当。同社勤務のかたわら週刊誌、月刊誌で、スポーツを中心に人物ノンフィクションを多数執筆してきた。最新刊『すごい!広島カープ 蘇る赤ヘル』(PHP文庫、『広島カープ論』増補改訂版)が重版出来で2万部突破。ノンフィクション『失われた甲子園記憶をなくしたエースと1989年の球児たち』(講談社)が第15回新潮ドキュメント賞にノミネートされた。ほかに『プロ野球「第二の人生」 輝きは一瞬、栄光の時間は瞬く間に過ぎ去っていった』(講談社)『最後のクジラ――大洋ホエールズ・田代富雄の野球人生』(講談社)『プロ野球コンバート論』(PHP研究所)など。

 巨人や野村氏に限った話ではない。05年夏には週刊朝日が、ボビー・バレンタイン監督率いるロッテの選手10人近くがグリーニーを常用していると報道し、球界全体を揺るがす問題に発展した。ロッテが終始一貫、強硬に否定したことで騒動は収束したものの、球団は週刊朝日を名誉毀損で訴えておらず、灰色決着に終わったという印象は否めない。

あいつのナニは馬並みだ

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 私はそのころ、ある球団の通訳兼渉外担当から、外国人選手たちのクスリの乱用ぶりを聞いていた。パワーヒッターで鳴らしていた複数の大物がグリーニーやステロイドを常用していて、その通訳は実際に目の前で彼らが注射を打つ場面も見たという。元大リーガーの間では経口薬のグリーニーだけではなく、競走馬が出走前に打たれる興奮剤が流行していた。「あいつのナニは馬並みだ」という下世話なジョークを地でいく話だ(失礼!)。

 メジャーリーグにおけるグリーニーの歴史は古い。元ニューヨーク・ヤンキース投手のジム・バウトンが執筆、1970年に出版されたMLB史上初の暴露本と言われる『ボール・フォア/大リーグ衝撃の内幕』(邦訳は1978年出版、現在絶版)には、大勢の大リーガーたちがまるで現代のレッドブルのようにグリーニーを服用している実態が赤裸々に描かれている。バウトンはボストン・レッドソックスのトレーナーから入手し、「レッドソックスは主力選手のほとんどがこのクスリをやっている」と書いてある。

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