オトナの教養 週末の一冊

2017年3月17日

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本多カツヒロ (ほんだ・かつひろ)

ライター

1977年横浜生まれ。2009年よりフリーランスライターとして活動。政治、経済から社会問題まで幅広くカバーし、主に研究者や学者などのインタビュー記事を執筆。現在、日刊サイゾーなどに執筆中。ブログ:http://golazo-sala.cocolog-nifty.com/pinga/

 ただ、貧困家庭で育っても、より良い将来を勝ち取るために必要なことは、自分を愛する心や自信などの自己肯定感です。自己肯定感を育むには、親や他の大人からの愛情や同級生との人間関係が大切になってきます。

 当たり前ですが、いじめにあっている子どもは自己肯定感が低く、家庭が大変な状況であっても、学校でヒーローになっている子どもは自己肯定感が高いのです。

 NPO法人の活動を通じて、貧困家庭や施設出身の子どもたちに多く会いますが、その後、人生で上手く行っている子どもは、勉強が出来たり、運動神経が良かったりといった同級生から尊敬を集めやすい要因を持っていることが多い。それが子どもの自己肯定感を高めるベースになっているのでしょう。

――慎さんが運営しているNPO法人はどんな活動をしているのですか?

慎:具体的には、社会的養護下にある子どもたちが入っている施設等の支援や、施設を出て行った子どもたちが進学する際に足りない学費を奨学金として支援しています。

――そうした支援を通してどんな成果が出ていますか?

慎:児童養護施設出身者の中で、大学へ進学する子どもは2割ほどです。その中で無事、卒業するのは7割ほどで、残りの3割ほどの子どもたちは途中で人間関係などに悩み中退します。我々は、奨学金を支援するだけでなく、彼らと定期的に話をする伴走者を目指しています。それでも中退や休学をする子どもはいますが、突然消えてしまったりせず、話し合いが出来る状態を維持できています。

 中には、児童養護施設史上初めて、高校卒業後、海外の4年制大学に進学した子もいます。

――NPOとして今後はどんな活動を考えていますか?

慎:まだまだ現在の支援へのニーズが大きく、施設の建て替えや社会的養護卒業後の支援は続ける必要があります。

 ただそれ以外にも、民間の団体で一時保護を受け入れる一時保護委託や、行政サービスを監査する機関設立のためのアドボカシー活動などは行いたいと考えています。

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