2024年4月26日(金)

Wedge REPORT

2018年10月22日

カテゴリー仕分けが課題

 予想問題を作成するに当たって、1989年から2017年までに出題された29年分の過去問題1450問を教師データとしてAIに学習させ、そこから2段階のプログラムを経て、今年出題される問題を予想して50問作成したという。

 問題作成で最も苦労したのがカテゴリー仕分けだった。過去に出題された1450問を93あるカテゴリーに分類し、各カテゴリーの年度ごとの出題数を学習させ、今年度に出題される可能性の高いカテゴリーを50予測、その後、予測したカテゴリーの中から問題をランダムにピックアップして予想問題を作成した。

 AIについては、画像解析などを手掛けるスタートアップ企業のGAUSS(ガウス、同渋谷区、宇都宮綱紀代表)と提携、同社の提供するAIを使用している。

 創業メンバーの一人である横沢大輔氏は「予想問題はAIを使ったRNN(リカレント・ニューラル・ネットワーク)と呼ばれる機械学習により2~3カ月でできたが、カテゴリー仕分けする際の微調整に手間取った」と指摘する。

フィリピンの人材を活用

 今回の予想問題の的中率が良かったことから、来年度からは予想問題を有料で販売する計画だ。こうした予想問題を作成する上でネックになっているのがIT人材の確保だという。創業して5年のベンチャー企業の同社は数年前から日本でIT人材を募集しているが、まったく集まらないという。

 そこで、今年からフィリピンに目を付け、セブ島でIT人材を探すことにしたそうで、現在、セブ島に長期出張している横沢氏は「ここだと新卒初任月給が10万円程度なので、やり方次第では戦力になるのではないか」と話し、フィリピン人のITエンジニアを活用して予想試験問題を作成するアプリをセブ島で開発できないか下調べをしている。

 当初はインドや中国人の採用を考えたが、両国ともIT人材の人件費が急騰しており、コスト的に見合わないことから、人件費が安く母国語が英語のためコミュニケーションが取りやすいフィリピン人に絞ったという。


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