ドローン・ジャーナリズム

2016年9月7日

»著者プロフィール
著者
閉じる

木村正人 (きむら・まさと)

ジャーナリスト

在ロンドン国際ジャーナリスト。元産経新聞ロンドン支局長。米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員、慶應義塾大学法科大学院非常勤講師などを歴任。2012年独立。著書に『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)

 英企業ブライター・サーベイランス・システムなど3社は昨年9月、ドローンを探知して墜落させるシステム(AUDS)を開発した。どんな大きさのドローンでも10キロメートル内に侵入してくると、高性能レーダーが直ちに探知してカメラが追跡を開始。危険エリアに入ってくる前に妨害シグナルをドローンに向けて発信し、墜落させる防御システムだ。所要時間は8~15秒。このシステムは米連邦航空局に採用され、米国の空港で試験運用されている。担当のマーク・ラドフォード氏は「空港のような複雑な環境でも、夜間でも、どんな天候にもAUDSは対応できます。空港にドローンを不法侵入させた操縦者を罰するお手伝いもできます」と話す。

英国企業3社が開発した対ドローンシステム
(写真・BLIGHTER SURVEILLANCE SYSTEMS)

 欧州のドローン事情を取材中、ドローン片手に新婚旅行をしている日本人夫婦、山口千貴(かずたか)さん(26)、真理子さん(34)が撮影した映像がBBCで紹介された。2人で2年働いて貯めた500万円の予算で昨年7月から400日間の旅に出た。これまで訪れたのは世界46カ国。山口さんは最初のドローンをノルウェーの山中で見失い、2機目はナミビアの峡谷で激突させ、現在は3機目のDJI製ファントム3を使っている。メキシコ・カンクンに滞在している山口さんに連絡を取ってみた。世界を巡る旅も残すところ40~50日だ。

 「(テロが連続した)フランスではドローンはまったく飛ばせず、カバンからも出していません。先進国であればあるほど法整備が進み、途上国は未整備です。欧州の規制が一番厳しいですね。日本で1機目を買った直後に首相官邸屋上でドローンが見つかる事件があり、公園やキャンプ場で練習した時は不審な目で見られました。日本ではネガティブな印象を持たれるドローンですが、アフリカで空から撮影した映像を現地の人に見せてあげると、初めてこんな光景を見たと喜んでもらえました。もちろんドローンを見るのも初めてだったのですが……」

 欧州委員会によると、ドローン運用事業者は2495社、メーカーはフランスのパロット社を筆頭に114社。2050年までにドローン産業で15万人の雇用が生み出されると予想している。

  
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。
 

◆Wedge2016年8月号より

 

関連記事

新着記事

»もっと見る