ビジネススキルを活かして楽しむ脱力系子育てのススメ

2017年2月16日

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小川大介 (おがわ・だいすけ)

1973年生まれ。京都大学法学部卒業。学生時代から大学受験予備校、大手進学塾で受験国語の看板講師として活躍。難関中学、国公立大学医学部などへ多数の合格者を送り出す。2000年、さらなる学習指導の理想を追求し、中学受験専門のプロ個別指導教室SS-1を設立。教科指導スキルに、声かけメソッド、逆算思考、習慣化指導を組み合わせ、短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。著書に『小川式[声かけ]メソッド』(宝島社)、『中学受験 基本のキ!』(共著:日経BP社)、『頭がいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある』(すばる舎)、『論理力は小学6年間の国語で強くなる』(かんき出版)など。今年10歳になる男の子の父。

 「自分が仕事の仕方を事細かに教えこもうとしたせいで、Aさんの持ち味を殺していたんじゃないだろうか・・・」

 Aさんは、その場の雰囲気に上手く合わせて、相手との心の距離を瞬時に近づけることが自然とできる力を持っていました。距離を近づけて、相手の話に耳を傾けてから、相手が望むことを雰囲気で伝えることができるのです。

 一方Cさんは論理の人です。要素をきっちりとくみ上げて、抜かりなく提案するスタイルを得意にしています。そんなCさんからすると、Aさんの営業コミュニケーションは言葉の抜け漏れが多い気がして、人一倍細かな指導を行ってきていたのでした。

 取引先を訪問する前には、自社のサービスの長所を根拠とともに整理した書面をAさんに作成させて、赤入れチェック。帰社後は相手方にどのような順でどのような言葉で提示したか、用語は正しいか、ヒアリング内容はマニュアルに沿って正確に行われているか、などを細かに点検していました。

二人の「感覚タイプ」が違ったために

 Aさんも、Cさんのように理路整然と提案する営業スタイルにあこがれがあったので、言われるままに一生懸命取り組んでいました。

 その結果何が起きたか。

 先ほどお話しした通り、Aさんは空回りするようになってしまいました。

 Cさんに教えてもらったことを全部きっちりやろうと心に決めて、何をすればいいかも頭に入っているのに、お客様とのやり取りがギクシャクするようになって、以前よりかえって関係が悪化してしまったのです。

 覚えたとおりにやることで頭が一杯になって、お客様に心を向ける余裕を失ってしまったのですね。

 でも、プライベートではすぐに人と打ち解け、良い関係を築くことができるAさんが、Cさんの指導を受けるとなぜ本来の力を発揮できなくなったのでしょうか。

 それは、Aさんの感覚タイプとCさんの感覚タイプが違うことに原因がありました。

 人は五感(視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚)を通じて情報を得ていますが、どの感覚から得た情報に頭と心が反応しやすいかは、人によって異なります。

 それを「優位感覚」と呼びます。

 どの感覚をより多く使う傾向にあるかという、脳のクセのようなものです。

 その人の優位感覚が何かによって、同じ出来事に対しても感じ取り方が異なってくるのです。

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