世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2016年7月1日

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オバマ大統領はG7サミット出席のために訪日の前にベトナムを訪問しました。この社説はこの訪問に際して発表された対ベトナム武器禁輸解除を含む米越関係強化を歓迎しています。適切な内容です。

 ベトナムは共産党一党独裁の国であり、基本的な価値を米国や日本と共有しているわけではありませんが、中国の脅威をひしひしと感じ、米国や日本などの民主主義国との関係強化を希望しています。TPP参加などその証左です。このベトナム側の態度に、日米などは積極的に応じていくべきでしょう。

 人権擁護や民主化は、経済発展や民主主義国との緊密な関係の中で進んでいくように思われます。たとえばTPPの労働についての規定実施は、労働権の承認、独立労働組合の許容につながり、人権擁護につながります。

 中国はアジア地域で覇権を求めています。中華民族の復興、偉大な夢の実現はそれを求めています。日本に対して、「中国脅威論や中国経済減退論をまき散らすな」との要求のほかに、対中対抗心を捨てるようになど、いささか驚くような要求をしています。ベトナムにも種々の圧力を加えているのでしょう。

「中国の覇権に反対せよ」鄧小平の言葉通りにする

 昔、鄧小平は、覇権主義に反対、中国が覇権を求めれば、日本は反対したらいい、と述べたことがあります。日本もベトナムも、まさに鄧小平のその言葉通り、中国が国際法無視のごり押しをするのにはともに対抗、反対すべきです。

 ASEANにおいては、実力のある国はベトナムとインドネシアでしょう。ベトナムは人口も9000万以上ある。ベトナムを観察している人は、労働の質も国民の活力も高く、今後大きく発展していくであろうと言います。そういう期待を持って、日越関係を強化していくことが、対中戦略の一部としても有用でしょう。
  
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