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2016年7月21日

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吉田光宏 (よしだ・みつひろ)

ジャーナリスト

1954年広島県福山市生まれ。広島県立府中高校、中央大学を経て、新聞社記者に。1993年~94年米スタンフォード大学ナイトフェローシップ留学。20年間の新聞社勤務の後1999年に独立。国内外の自然環境保護、農林水産業などを取材&執筆している。日本環境ジャーナリストの会員、農政ジャーナリストの会会員。メディアコーディネーター、ビジネスプランナーも務める。著書に『農業・環境・地域が蘇る 放牧維新』(家の光協会)『広島県の農業を知るとカープを応援したくなる: 日本の農業は生き残れるのか』など。

 定年は一応60歳となっているが、延長も可能で営業部門では74歳の人もいる。昇進やそれに伴う処遇も「働き」に応じて、「本人が働く意欲と能力があれば社長にもなれる」という。正社員がたくさんいる職場でパートがリーダーを務めている例や、「田植えのときに休めるから」と正社員になろうとしないパートもいる。

 効率化と柔軟な雇用態勢のために、入社2年目が新人にノウハウを教えるような「先輩と後輩」の関係を大切にして連帯感を生んでいる。

 いいところばかりが目立つが、実は離職率は高い。採用は昨年16人で6月から8月にかけて9人が辞めた。50人採用すると20人が辞める。「再就職した人の中には、仕事中の私語や『指示待ち』の体質が抜け切らず、わが社のやり方には合わなかったようです」と村田さんは説明する。カワト独特のシステムを理解できない人は敷居が高いかもしれない。

副社長はパートが始点

川戸社長と村田副社長

 女性従業員のトップに登りつめた副社長の村田典子さんは24年前の1992(平成4)年にパートタイムとして入社した。短大卒業後、地元の金融機関で働いた後、専業主婦として3人の子育てをしていたが、一番下が保育園に上がり、時間に余裕が出てきた。近所の友人からパート募集の折り込みチラシの情報を聞いて「自転車で通える場所だし、子供の夏休みにも休める。自由な感じが魅力的だった」と応募。面接に行くと、履歴書なしで合格、月から金までの午前中、1日3時間働くことになった。社長の理解を得て「子供の都合によって1時間早く仕事を切り上げることができる」という契約書も交わした。

 一般の軽作業から始め、新事業のスタッフメンバーとなり、さらに企画部門で20年近く働き、副社長に昇格した。村田さんは「同じ女性として後に続く後輩のために頑張ってきたつもりです」と振り返り、「カワトには自分が頑張っただけ報われる仕組みができていると思います」と評価する。

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