World Energy Watch

2018年4月13日

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連邦政府への非難を強めるカリフォルニア州

 昨年3月トランプ大統領、EPAが2025年までの規制値見直しを表明した翌週、カリフォルニア州大気資源局(CARB)は理事会を開催し、EPAが見直しを決めた場合新しい規制値を受けるかどうか検討した。結果、14対ゼロの全会一致でもって見直さないことを決め、カリフォルニア州は連邦政府に対する対決姿勢を鮮明にした。CARBは、現行の2025年燃費の規制を実行すれば、対象となる車が使用期間中に削減する二酸化炭素は60億トン、節約する原油は120億バレルになると説明している。理事会は、ZEV規制についても維持することを決めた。

 民主党のブラウン知事は、2030年までに二酸化炭素排出量を1990年比40%削減する同州の目標を維持すると発表した。さらに、ニューヨーク州大気資源局理事は、「カリフォルニア州と共にある。カリフォルニア州が何を行っても、ニューヨーク州は信頼している」と全面的な支持を表明した。

 今年4月2日見直し発表時、EPAプルイット長官は、「燃費対策が引き起こす自動車価格の上昇は買い替えを遅らせ、結果的に燃費が改善されない。協調的連邦主義とは、一つの州が全国の基準を決めることを意味していない」と述べ、連邦政府の基準をカリフォルニア州も受けるべきと示唆した。しかし、大気浄化法で除外規定が認められているカリフォルニア州を連邦の基準に従わせる法的根拠はなく、実現は難しいと思われる。カリフォルニア州司法長官は、「この重要な規制を守るため、環境に関する当局との戦争を戦うため、必要とあれば訴訟を行う。カリフォルニア州は、傍観により世界第6位の経済圏になったわけではない」と、連邦政府と戦う意向を鮮明にしている。

 自動車業界は「燃費対応の投資額が増えることにより安全関係投資が疎かになる可能性がある」とし、規制緩和を歓迎している。一方、連邦、カリフォルニア州と2つの異なる規制値が制定されると対応が複雑になることから、連邦とカリフォルニア州の論争の行く末に懸念の声が出ている。フォード首脳は、規制値を変更することは必ずしも必要なく、規制に柔軟性を持たせる修正で十分と発言している。

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