ローラ・ビッカー、マイク・ウェンドリング
来年1月に予定されるドナルド・トランプ次期米大統領の大統領就任式に、習近平・中国国家主席が招待されているものの、欠席する見通しだという。BBCがアメリカで提携するCBSニュースが13日、消息筋2人の話として伝えた。
CBSニュースは、中国の駐米大使のほか、北京から訪米する中国高官が出席する可能があると伝えた。
CBSニュースは、トランプ次期大統領が自分の就任式に習主席を招待したという情報も最初に伝えた。アメリカの大統領就任式に外国首脳が招待されるのは異例で、かつて出席したことがあるという記録も残っていない。
トランプ陣営のキャロライン・レヴィット報道担当は米FOXニュースに対し、「これは、トランプ大統領が同盟国だけでなく、敵対国や競争相手の国の指導者ともオープンな対話を作り出していることを示す一例だ」と述べた。
トランプ氏はこれまで、習主席を時折、称賛する一方、中国を厳しく批判してきた。1月20日に就任した後は、中国からの輸入品に対する関税を大幅に引き上げると公約している。
トランプ氏は10月は著名ポッドキャスターのジョー・ローガン氏に対し、「(習氏は)14億人を鉄拳で支配している。それが好きか嫌いかはともかく、素晴らしい人物だ」と述べている。
トランプ次期政権には、中国政府を厳しく批判してきたマルコ・ルビオ国務長官候補やマイク・ウォルツ次期大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が参加する見通し。
中国政府はルビオ氏に制裁を科しており、2020年には入国を禁止した。
ウォルツ氏は、ウクライナや中東での紛争を早急に終わらせ、「それよりも深刻な中国共産党の脅威」にアメリカは対抗するべきだと主張している。
アメリカの複数の情報機関はこのほど、アメリカ通信大手8社に対するハッキングの背後には中国政府がいると発表した。ホワイトハウスによると、ハッカーは数百万人のアメリカ人のデータにアクセスした可能性がある。
11月に当選して以来、トランプ氏はカナダのジャスティン・トルドー首相、アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領、フランスのエマニュエル・マクロン大統領など、複数の外国指導者と会談している。マクロン大統領はトランプ氏をノートルダム大聖堂の再開式典に招待した。
米国務省の記録によると、1874年以降、外交官や大使が米大統領の就任式に出席することは通常のことだが、外国の指導者が出席したことはない。
トランプ陣営のレヴィット報道担当は、他の外国指導者も1月20日にワシントンDCで開催される就任式に招待していると述べたものの、具体的な名前は明かさなかった。
BBCは、中国当局とトランプ大統領移行チームにコメントを求めている。