中国南部・湖南省常徳市で11月、男性が小学校の前で車を群衆に突っ込ませ、児童ら30人にけがを負わせた事件で、現地の裁判所は23日、被告男性に執行猶予付きの死刑判決を言い渡した。
事件は11月19日に発生。児童18人を含む30人を負傷させた。正確な負傷者数が明らかになったのは、この日の判決が初めて。事件に関する多くの投稿は、ソーシャルメディアから削除されてきた。
事件直後に出回った動画には、地面に横たわる子どもや、パニック状態で逃げ惑う子どもらが映っていた。怒った歩行者が雪かき用のスコップで、中に人がいる車をたたく様子も記録されていた。
黄文被告は、今後2年間に新たな犯罪を犯さなければ、無期刑に減刑される可能性がある。
刑の一部として政治的な権利を終身剥奪された。
裁判所の声明によると、被告は投資での損失や家庭不和から怒りを募らせ、それを発散するために攻撃した。
裁判所はまた、当時の被告の行動について、被告が置かれていた「極めて厳しい犯罪状況」を反映していたとした。
中国では当時、群衆を襲う事件が相次いでおり、この事件は1週間で3件目だった。数日前には南部・広東省珠海で、離婚調停に不満をもった男性が群衆に車を突っ込ませ、35人を死亡させる事件があった。
中国事情に詳しい人たちの一部からは、こうした攻撃は社会に対する報復だとの見方が示されている。一方、中国経済に対して国民が不満を募らせていることの現れだとする人もいる。
今回の判決をめぐっては、裁判所を甘過ぎると非難する声がソーシャルメディアなどで噴出している。
中国のソーシャルメディア「微博(ウェイボー)」には、「なぜ執行猶予がつくのか?」、「こうした悪質な事件には深刻かつ素早く対処し、抑止効果を生む必要がある」といった投稿がみられた。
(英語記事 Chinese man in school attack gets suspended death sentence)