2024年12月25日(水)

Wedge REPORT

2024年12月25日

 首都圏のマンション価格が新築、中古ともに上昇している。中でも東京都心(港、千代田、渋谷区)の駅に近い新築物件は、コロナ禍以降、1億円超えが当たり前となっている。

東京都の湾岸地域に林立するタワーマンション。もはや「格差」の象徴といえるのかもしれない(KANZILYOU/GETTYIMAGES)

 不動産経済研究所(東京都新宿区)が発表した2024年10月の首都圏の新築マンションの平均販売価格は9239万円(前年同月比で40.7%上昇)となり、23区では1億2940万円(同48.6%増)で高騰が止まらない。マンションデベロッパーも1億円以上の「億ション」など、利幅の取れるハイグレード高価格マンションの販売に一段と注力し、タワーマンションの人気も衰えを見せていない。

 中古マンションはどうか? 東京カンテイ(東京都品川区)によると、10月の中古マンション(70平方㍍)は、東京都では7170万円(築29.8年)、前年同月比11.5%上昇した。23区は8309万円(築29.7年)、同16.5%増、前月比でも6カ月連続でアップ。さらに、都心6区(千代田、中央、港、新宿、文京、渋谷区)では同27.9%増の1億3800万円(築25.9年)となり、前月比21カ月連続で高騰している。

 一方で、横浜市3822万円(築32.0年)、前年同月比0.1%減、さいたま市3606万円(築29.0年)、同5.4%減、千葉市2549万円(築32.1年)3.2%増と、中古でも東京が一人勝ちの状況となっている。

 なぜ、こんなことになっているのか。野村総研の調査によると、11年と21年を比べると、株価の上昇などにより、日本国内の超富裕層(純金融資産保有額5億円以上)と富裕層(同1億円以上5億円未満)の世帯数が81万世帯から149万世帯と8割も増加した。資産規模も188兆円から364兆円とほぼ倍増しており、彼らが都心に立地する高級マンションを投資用や住居用として購入してきていることが挙げられる。

 株価が順調に推移する限りはこうした富裕層の数は増加するとみられ、日本に住んでいる外国人富裕層やインバウンド需要などに対応した超高級マンション需要も増えそうだ。


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