2022年10月6日(木)

BBC News

2022年9月19日

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イランの首都テヘランで、道徳警察に逮捕された女性が数日後に死亡した。目撃者によると、頭髪を適切に覆っていなかったとして拘束されたこの女性は、警察車両の中で殴られていたという。警察への批判が高まる中、女性の葬儀では多くの女性が髪を覆うスカーフを脱ぎ捨てて抗議した。

マシャ・アミニさん(22)は13日、頭髪を覆うスカーフを適切に着けていなかったとして道徳警察に逮捕された。目撃者によると、アミニさんは警察車両の中で殴られ、その後、意識不明に陥った。アミニさんは16日に亡くなった。

警察は暴行を否定し、アミニさんが心臓発作に襲われたと主張している。

アミニさんの葬儀は17日、地元の西部サケズで行われた。大勢の市民が詰めかけ、警察への抗議の場となった。ヒジャブを脱ぎ捨てて抗議する女性たちや、「独裁者に死を」と叫ぶ抗議者も見られた。

ソーシャルメディアに投稿された動画では、治安部隊が葬儀に突入できないよう、地元住民が早朝から集まる様子が映っている。

また、アミニさんの死に抗議して市庁舎に押し寄せる抗議者もいた。BBCペルシャ語サービスが確認した動画では、治安部隊が抗議者に発砲していた。

また、逮捕者や負傷者も出ているという。

https://twitter.com/Shayan86/status/1571148937788293129


テヘラン北部のカスラ病院は声明で、アミニさんは13日に「生命兆候のない状態」で運ばれてきたと発表した。

しかし、強硬派のSNSアカウントなどが、病院職員を「反政府エージェント」と糾弾したため、この声明はSNSから撤去された。

イランの国営テレビも、アミニさん逮捕時の監視カメラ映像を放送したが、人権保護団体は、テレビ局が映像を検閲して事実と異なる物語を捏造(ねつぞう)していると批判している。

サイバーセキュリティーやインターネットのガバナンス(統治・管理)の監視団体「ネットブロックス」によると、アミニさんの死が報じられた直後、テヘランやセケズなど複数の地域でインターネットが阻害されたという。

この間、インスタグラムやワッツアップに動画を掲載することができなくなった。

保守派のエブラヒム・ライシ大統領は、アミニさんの死について調査するよう内務省に指示している。

https://twitter.com/netblocks/status/1570867826331914242?s=20&t=UDPcfUKmwJx3fkvBEiiSEQ


イランでは1979年のイスラム革命後、女性は「イスラム的な」控えめの衣服を着るよう法的に義務付けられている。実際には、全身を覆うチャドルか、頭髪を覆うスカーフと腕を隠すマントを着る必要がある。

近年では、ヒジャブ義務化への反対運動が何度か繰り返されてきた。特に、服装規定違反だとされた女性に対する道徳警察の厳しい取り締まりをきっかけに、ヒジャブ強制への反対が高まっている。

一方でイランのゴラムホセイン・モフセニ=エジェイ司法長官はこのほど、こうしたヒジャブ強制反対の背後には外国勢力がいるという見方を示した。情報機関に「裸のベールの背後にある手」を見つけるように指示した。

ライシ大統領も、「イスラム社会における組織的腐敗の促進」を取り締まると約束。イラン国営テレビはここ数カ月、厳しい服装規定を守らなかったとして逮捕された女性の告白をテレビで放映している。

多くのイラン人は、最高指導者アリ・ハメネイ師が弾圧の原因だと非難している。ソーシャルメディアでは、ハメネイ師が道徳警察の役割とその運営方法を賞賛する演説が共有されている。

(英語記事 Iran headscarf protest at arrested woman's funeral

提供元:https://www.bbc.com/japanese/62944807

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