奈良の大仏さん”と呼ばれ、親しまれている盧舎那仏〔るしゃなぶつ〕坐像や、世界最大の木造建築“大仏殿”があることで有名な東大寺。天平文化を代表する数々の名宝が伝わり、古都奈良の文化財の一部としてユネスコの世界遺産にも登録されている。
そんな東大寺から、大仏造立にかかわる文化財を中心とした寺宝がこの秋、東京にやってくる。
会場となる東京国立博物館平成館では、高さ4・5メートルを超える大仏殿前の八角燈籠(国宝)が寺外で初めて公開されるほか、日本最大の誕生釈迦仏立像(国宝)や大仏開眼供養会などに使用された伎楽面〔ぎがくめん〕(重文)といった、国宝や重文に指定された寺宝が一堂に並ぶ。特に11月2日から21日までは、正倉院宝物が特別に出品されるなど、まさしく“天平の至宝”が揃う。
国宝 奈良時代(8世紀) 東大寺所蔵
また、快慶作の僧形八幡神〔そうぎょうはちまんしん〕坐像(国宝)、阿弥陀如来立像(重文)、地蔵菩薩立像(重文)ほか、重源上人〔ちょうげんしょうにん〕坐像(国宝)など、鎌倉時代の彫刻の傑作も一挙公開。さらに、平成館展示室の壁面と天井いっぱいに、大迫力のバーチャルリアリティー映像で創建時の大仏殿を再現、お寺では見ることのできない盧舎那仏の背面を拝むこともできる。
天平文化の精華に触れるとともに、奈良の大仏さんの寺として人々の信仰を集め、日本の文化にも多大な影響を与えてきた東大寺の歴史をたどってみたい。
光明皇后1250年御遠忌(ごおんき)記念 特別展 東大寺大仏─天平の至宝─
〈開催日〉2010年10月8日~12月12日
〈会場〉東京都台東区・東京国立博物館(山手線上野駅下車)
〈問〉03(5777)8600
http://www.tnm.jp/jp/servlet/Con?pageId=X00/processId=00
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