2024年7月14日(日)

社食に企業の想いあり

2011年12月14日

 グリーンハウスのこだわりは地産地消だけではない。コマツの関東と関西の支社や各工場では、それぞれの地域の趣向にあった味付けにしていたり、若い社員の多い工場では「メガランチ」といって通常の倍程度の量のメニューも提供されている。今年の10月まで茨城の工場に勤務していた人事部サービスセンタ所長の木村嘉久さんも、「工場勤務のときは、昼だけでなく朝食と夕食の1日3食社食で食べることもありました」というほど、社員に重宝されている。

 しかし、コマツも、グリーンハウスに運営を任せっぱなしにするのではなく、前出の安川さんをはじめとする人事部とユニオンのメンバーと、グリーンハウスの担当者で構成する「食堂委員会」を結成し、社食のより良い環境づくりに努めている。

水を変えて米を食べ比べ実験

 具体的には、衛生面の注意喚起を促すポスターの掲出、新メニューのアイディア出し、混雑緩和や節電対策など、四半期に1回ほど集まって話し合っている。メンバーの一人、コマツユニオン本社営業支部書記長の小野英之さんは、「目下の課題は混雑緩和」であるという。「12時~12時45分までという限られた時間に、毎日約750人もの社員が利用するため混雑はなかなか避けられないので、食堂外でも食べることができるようお弁当の数を増やしたり、列の動線をうまく確保したり、給茶器の場所を変えたりと、細かな『改善』を実践しています」(小野さん)。メーカーの「改善」魂は、社食にも生きているようだ。

 また、食堂委員会ではこうした使い勝手の面だけでなく、食事のおいしさも追求している。「昨年の12月には、水を変えてお米の食べ比べを実施しました。もともと良いお米を使っていましたが、『どうすればもっとおいしく食べてもらえるか』と考えたとき、水を変えて実験してみようと思ったのです」(安川さん)。ミネラルウォーター、煮沸水、水道水の3種類で炊いたお米を試食したところ、意外にも水道水が一番おいしいという結論に至った。以来、社員からも「やわらかすぎず、固すぎず、丁度良い固さでお米がおいしい」という声が増えたという。

 このようなユニークな取り組みも進める食堂委員会。すべては、昼食が社員の楽しみとなり、社食が憩いの場となれば、という想いから。1000人を超える社員に、もっと社食を利用してもらうためには、単純に席数を増やすのが手っ取り早い解決策だ。しかし、コマツの社食は、社員数の割に一つひとつのテーブルが大きめで、複数人数が座っておしゃべりを楽しみながら食事をすることができる。「社食は、ES(社員満足度)向上のための福利厚生の一環と認識しています」と安川さんが言うように、会社としても社食を重要な存在と認識し、社員が「安全で安心して」働ける環境つくりの一環として食堂にも力を入れていることが分かる。

 グループ会社のコマツゼネラルサービスで不動産関連の仕事に携わっている峰岸徹さんは、「営業で外に出ている日以外はいつも社食を利用しています。外回りの仕事では常に外食をしていますが、コマツの社食を利用すると、外で飲むお味噌汁がいかに濃いかがよく分かります。社食のメニューはイントラネットで配信され、カロリーも表示されているので安心感があります」と、社食に満足な様子。

 「地産地消」をはじめとした良い食材で、おいしくて健康的な食事を提供する。より良い環境づくりを目指した社食の改善活動や、地産地消にこだわりながらコストと地場振興のバランスを両立させるのはまさに経済界を牽引するコマツならでは。そんなコマツの想いがあらわれている社食だった。

 
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