こんにちは、川柳作家の杉山昌善です。きょうも川柳詠みのコツを一緒に学んでいきましょう。
これまで現代川柳がどんなものなのか、その基本的な考え方を学んできました。経から、実際のテクニックについて学んでいきましょう。
句の書き方 ――スペースは空けない
ショーゼン のぞみさん、川柳ってどうやって書くかごぞんじ?
のぞみ ふだんはパソコンを使って書きますが、句会のときは鉛筆で句箋に書きましたよ。
ショーゼン (笑)そうじゃなくて、表記のこと。意外と知られていないんです。
川柳では、5・7・5のそれぞれを、「上五(かみご)」「中七(なかしち)」「下五(しもご)」と呼ぶんですが、これらの間にはスペースを空けず、いっぽんの棒のように書くのが原則です。
× 手雫のように こぼれる 蛍狩
○ 手雫のようにこぼれる蛍狩
のぞみ そういえば川柳って、句読点やビックリマークも使いませんね。
こだま そう、現代文で使われる句読点などの記号類、つまり「約物(やくもの)」は、川柳では使わないの。ことばの力とリズムで挑んでちょうだい。
のぞみ こだまさん!! こだまさんもこの教室にいらしてたんですね。
ショーゼン いやあ、お久しぶり。こだまさん、川柳にも造詣が深いですね。つまり、表現は、シンプルに、好きなことばで思いの丈を綴るべきということだね。
字数は音数
のぞみ あと、いつも迷うのが、字の数え方。小さい「やゆよ」を含む文字(拗音)や小さい「つ」(促音)、「-」(長音)などをどう数えていいかということなんです。