現在世代内の結託?
以上から、わが国の現在世代及び将来世代が直面する世代間格差には2つの格差が存在することが確認できる。
(図1) 2つの世代間格差
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すなわち、1つは、若い世代ほど生涯純税負担率が高くなるという現在世代内における世代間格差であり、もう1つは、0歳世代と将来世代の生涯純税負担率の差で表される現在世代と将来世代の間に存在する世代間格差である。
このような2つの格差のうち、現在世代と将来世代の間の格差のほうが大きいことも先の結果から確認できる。
したがって、より重い世代間の不公平性は、現在世代内にあるというよりは現在世代と将来世代との間にこそ存在する。さらに、やや穿った見方ながら、現在の日本に存在するのは世代間対立ではなく世代間結託である。つまり、現状のままでは、高齢者と若者が結託して自分たちの負担軽減を目的として将来世代へのツケ回し構造を維持しようとする懸念も指摘できる。
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