漢字の読みを効果的に使おう
のぞみ ショーゼンさん、私のともだちにキラキラネームの子がいるんです。「今鹿」と書いて「ナウシカ」って読むの!
ショーゼン それはヒド・・・・・・いえ、すてきな名前ですね。
こだま 「小宇宙」で「コスモ」君てのもいるらしいわね。
のぞみ はい。同じ世代でもぜんぜん読めないんです。ショーゼンさん、それで思いだしたんだけど、川柳にも独特な漢字の読み方ってありましたよね?
ショーゼン はい、ありますよ。たとえば「夫」という字。「おっと」と読むのが普通でしょ? でも昔は「つま」と読んでた。
こだま
大君の 行幸〔みゆき〕のまにま もののふの
八十伴〔やそとも〕の男〔を〕と 出で行きし 愛〔と〕し夫〔つま〕は (万葉集)
「天皇の行幸に付いて、お伴の人と出かけた愛しいあなた」って感じかな。
ショーゼン 川柳では、これを「おっと」と読んでも「つま」と読んでもいい。決めてはリズムです。伝統的な川柳でも、現代川柳でもこれは同じ。
私はへのへのもへじ夫である (つま)
私はへのへのもへじ夫です (おっと)
あとは「亡父」「亡母」を「ちち」「はは」と読むことなどもあります。二音字で「亡くなった父」の意味を表すことができるし、「ぼうふ」って読ませるとあまりカッコよくないでしょ。